どのようにして本を買う量を減らしたか
先日、数か月ぶりに紙の本を買った。
以前は月に数十冊の本を買っていたのに、変われば変わるものである。
今回は「どのようにして本を買う量を減らしたか」を書いてみよう。
新作情報を追いかけない
本を買う量を減らしたい人は、できるだけ新作情報を入れないようにするといい。
新しいものは「新しい」の魔力とでもいおうか、実際よりも輝いてみえることが多い。
未知への期待とあいまって、非常に魅力的にみえる。
ワタクシはこの状態を「熱に浮かれる」と呼んでいるが、この状態だとどの本も面白そうにみえて、バンバンと買ってしまう。
時間をおくと「本当にほしいもの」がみえてくる
この「熱に浮かれた状態」を避ければ、おのずと購入数が減ってくる。
気になる新作がある場合は、「いつかほしいもの」としてリストに挙げておく。
そして2~3か月ぐらい経ってから、もう一度リストをみてみると、「なんでこれを欲しかったんだろう?」という本が多いことに気づく。
新作として知った時は「おお!」と思ったものでも、「なんだ、わりと普通じゃん」となるものもけっこうある。
こうして「本当にほしいもの」をみつけていけば、かなりの購入数を抑えることができる。
新聞広告にまどわされない
これも大きなポイントだ。
新聞広告に出ている本は、基本的に「売りたい本」だということを理解しよう。
面白そうにみえるものも多いが、実際に面白いかどうかは別の話。
要は売りたいから「面白そうにみせている」広告なんだな。
○万部突破とか、○○氏絶賛、芸能人の○○さん推薦とか、基本的に面白さとは関係ない。
次回につづく。
スターリン体制下のソ連を舞台にしたミステリ「チャイルド44」
チャイルド44
実はこの作品、前々から興味があったのだが、読むのがずいぶんと遅くなってしまった。
というのも、もともとは映画版のほうを先に知り、映画を先に見るか原作を先に読むか迷っていたのである。
このブログでも何回か書いてきたが、ワタクシは何かの作品に触れるときはできるだけ前情報を入れないようにしている。
作品のレビューも、事前には見ないようにしている。
そんなわけで、映画版と原作がある場合はどちらを選ぶか非常に悩む。
これが邦画であれば、学芸会を見たい気分でない限り、原作を選べば間違いなしだが、洋画の場合は本当に難しい。すさまじい完成度の作品であることも少なくないからだ。
非常に読みやすい作品
あれこれと悩んだ末、原作を読んでみることにした。
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- 出版社/メーカー: 新潮社
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海外の小説は翻訳によってずいぶんと読みやすさが変わるが、チャイルド44は非常に読みやすい。
何よりも人物の名前や地名がわかりやすいのもいい。これらは何気に「海外小説を読むときの壁」でもあるので、このあたりがやさしいのは本当にありがたい。
似たような名前とか、頭に入りにくい地名とかを乱発されると、つらいものな。
スターリン体制下のソ連
ミステリではあるが、とにかくこの「スターリン体制化のソ連」の描写がすさまじく、驚愕する。
民衆の生活は「普通」というレベルにも達しておらず、ちょっとしたことでも目をつけられたら終わり。
どんな理不尽な理由でも民間人を逮捕することができ、拷問することができる。いったん疑いをかけられたら、真実がどこにあろうとも関係なし。
誰もが自分を守るために、監視の目を光らせている。いつ密告されるかも分からない。まったくもって恐ろしい時代なのである。
上巻ではそんな世界がこれでもかというぐらいに描かれている。
下巻に入ると、物語は派手に動き出す。さながらハードボイルドにギアチェンジしたかのような様相になる。
満足度の高い作品
読み終わってみると、なんと壮大な物語なのだろうと思わされる。これだけの要素を詰め込んで、よくぞここまでまとめられたなあと驚くばかりだ。
ミステリ的な要素はシンプルだが、読み物としては抜群の面白さ。エンタテイメントのありとあらゆる要素が詰め込まれている圧巻の作品だ。
興味のある方はぜひ読んでほしい。
すれ違い恋愛コメディ「ゲーマーズ!」をみた
ゲーマーズ!を見終わった。いやぁ面白かった!
ゲーマーズ!
タイトルからして、ゲームをたのしくやりましょー的な作品かと思っていたら、めちゃくちゃ面白いラブコメ作品だった。
今回見たのはアニメ版だが、こんな作品は久しぶりにみた気がする。
すれ違い恋愛コメディ
ゲーマーズ!は、ちょっとした勘違いや妄想で、パニくったり疑心暗鬼に陥ったりと、すれ違いまくりの恋愛模様が面白い作品だ。
ギスギスしたり、見ていて息苦しくなったりということはなく、その全てがギャグ的で非常に明るいので、見ていて本当にたのしい。
みんな行動が軽率&言葉足らずで、それが誤解の原因になるのだが、そのパターンが恐ろしく多い。
「よくこれだけのネタがあるなあ」と感心させられる。
基本的にどのキャラも正直&ピュアなので、暗さがないのも嬉しい。かなり笑える作品だ。
絵柄
アニメ版「ゲーマーズ!」の絵柄は原作をベースにしているが、全編をみると作画にけっこうなバラつきがある。
また、昨今の傾向からすると、メインストリームからは少々はずれた絵柄でもある。
ワタクシも最初は「ちょっと昔の絵っぽいなあ」と思ったのだが、見ているうちに自然と「これはこれでアリ」となってくるのが面白いところだ。
どうでもいい話だが、すれ違いラブコメの傑作に「きまぐれオレンジロード」がある。今見ると、相当古い絵柄である。
特に女性キャラは頭蓋骨の形状を疑いたくなる髪型をしている。
が、こうした作品も、読んでいるうちに自然と慣れてくるどころか、どのキャラも魅力的に見えてくるのが面白いところだ。
しかし、ゲーマーズ!の表紙と並べると時代を感じますな。
原作も読みたくなる作品
ゲーマーズ!は、アニメ版でも濃い目のゲームネタが出てきたが、原作はもっと濃いそうだ。
アニメ版もキレイにまとまったが、原作であればその先の展開を読むことができる。いろいろと興味の出てくる作品だ。
NEW GAME!!をみた
今回は最近見て面白かったアニメを書いてみよう。
NEW GAME!!
ゲーム会社を舞台にしたおもしろアニメ「NEW GAME!!」の第2期。
1期である「NEW GAME!」も素晴らしかったが、これもまた面白かった。
タイトルがまぎらわしいが、1期と2期の違いは「!」の数。1期は「!」が1つで、2期は「!」が2つで「!!」となる。
新キャラ加入
1期はみんな前向きまっすぐなところがよかったが、2期は新キャラの加入でやや雰囲気が変わる。
どっちも癖があるキャラなので、少々好みが分かれるかもしれない。
2期では、1期のキャラたちが大きく成長していく。
この作品の面白いところは、主人公・青葉だけの成長物語ではないところだろう。
青葉が成長すれば、まわりもやっぱり成長していて、キャラクターの位置づけがあまり変わらないのが面白いところだ。
先輩は先輩のままで、青葉は青葉のままで成長していくので、どのキャラが好きでもたのしめるのがいい。
コウさん
1期の感想で、NEW GAME!は「青葉の成長物語でもあり、八神コウの物語でもある」と書いた覚えがある。
2期を見終わった時も同じことを思ったのだが、もしかしたらこれは「八神コウの物語そのもの」だったのではないかとも思った。
もちろん、物語は主役である青葉を中心にすすんでいくのだが、1期・2期通して実はもっともドラマがあったのがコウさんだった気がする。
いずれにせよ、コウさんのファンにとって2期は、非常に考えさせられる内容だった。
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駿河屋の買取で今回も大満足!
先日、久しぶりに駿河屋の買取を利用した。
結果は32点で15,000円越え。おお!これはうれしい。
予想を大幅に上回る結果に
正直、ここまでの価格になるとは思わなかった。
というのも、32点のうち、ほとんどが値がつかなさそうな本だったのである。
数点が15,000円台まで引っ張りあげてくれたのだろう。それにしてもうれしい結果である。
昨年の45冊で15,000円越えよりもいい結果に!
かんたん買取
駿河屋には、「あんしん買取」と「かんたん買取」の2種類がある。
「あんしん買取」は事前に見積もりを出してもらい、納得したら商品を送るというものだ。
文字通り「あんしん」ではあるのだが、時間がかかるのが難点だ。
もう1つの「かんたん買取」は、送るだけでOK。
査定は、1つ1つの買取価格でなく、トータル金額しか出ないが、あんしん買取に比べてスピーディーなのが特長だ。30点以上なら送料無料なのもいい。
ワタクシは専ら「かんたん買取」を利用している。
駿河屋時間
今回は駿河屋に届いてから6日ほどで査定が出た。
この日数をどう感じるかは人それぞれだと思うが、駿河屋を利用する場合に、心がけておくべきことがある。
それは、気長に待つということである。
買う場合でも売る場合でも、1週間で動きがあったらラッキー、駿河屋的にはお急ぎ便だぜという気持ちを持とう。
そうすれば、駿河屋をたのしく利用することができる。
こんな誘拐があったのか!連城三紀彦「造花の蜜」
大昔に「戻り川心中」を読んで以来の連城三紀彦作品だ。
こんな誘拐があったのか!前代未聞の誘拐劇
タイトルからは分かりにくいが、「造花の蜜」は誘拐モノの作品だ。
冒頭から非常に面白くグイグイとひきこまれていく。この作品の特長はなんといっても、メインとなる誘拐だろう。
こんな誘拐方法があったのか!という前代未聞の誘拐劇が展開される。
ワタクシも読んでいて、ひっくり返りそうになるぐらい驚いた。
文庫本にもなっている。
一気読み推奨
この作品、夢中になって読んでいるうちには抜群に面白い。
先の読めない展開、謎につぐ謎でページをめくる手が止まらなくなるぐらいに、ハマる。
だが、いったん手をとめて冷静になって考えると、とたんに「?」が増えてくる。
そう、一気読みにはいいが、じっくり読むには「あれ?」というところの多い作品なのである。
まとめ
気になる点も書いたが、夢中になって読んでいるうちは本当に面白い作品だ。
読んでいる最中は、誰もが怪しくみえ、誰もが犯人にみえる。一気読みしたい人にはおすすめの作品だ。
涙なくしては読めないホラー 日野日出志「恐怖・地獄少女」
Kindleのラインナップを見ていたら、日野日出志先生の作品があった。
そう、先日のブヨにかまれた記事で紹介した画像である。
そこではブヨにやられたボコボコになってしまった手を、地獄少女の姿にたとえたのだが、実はこの作品、大変な傑作マンガである。
恐怖・地獄少女
「恐怖・地獄少女」は1982年に単行本で発売された作品で、ジャンルとしてはホラーになる。
これが主役の少女だ。キーキーと鳴く。
最近は女の子が主役のマンガが多いが、こんな女の子が主役の作品はそうはないだろう。
全身から悪臭を放っており、そばにいるものがみんな逃げてしまう。食事をしないと体が腐り落ちてしまう。
・・・そんな少女だが、もともとは人間である。
そう、「怪奇・地獄少女」は、悲しき運命のもとに生まれた、せつない少女の物語なのである。
心に突き刺さる人間ドラマ
ワタクシはこの作品を読み終わった後、しばらく考え込んでしまった。
人間とは何か、生きるとは何か、そして、少女にとって何が幸せだったのだろうかと。
少女の姿は大変に強烈だが、この絵柄でなければ、これほどまでのせつなさは出せなかったのではと思う。
ぜひ多くの人に読んでほしい作品だ。
まとめ
紙の本では入手が難しかったものも、気軽に読めるのは大きなメリットだ。
Kindle Unlimitedなら、日野日出志先生の作品が読み放題なのも嬉しいところだ。