これはすごいwww 犬木加奈子「不思議のたたりちゃん」
Kindle本のラインナップをみていたら、「おお!」という本をみつけた。
「不思議のたたりちゃん」である。
ホラーの大御所・犬木加奈子先生による怖~いマンガである。
えげつなさすぎて、読んでいて失神しそうになったwww
不思議のたたりちゃん
「不思議のたたりちゃん」は、1990年台に講談社「少女フレンド」で連載されていた作品だ。
主人公は、神野多々里(かみのたたり)。
これが「たたりちゃん」だ。こんな表情をしているが、大変に内気な少女だ。
ことあるごとにいじめの標的になってしまうたたりちゃん、仕返しはそう、たたりである。
敵にまわしたらヤバすぎなたたりちゃん
ここで言っておこう。この作品、描写がかなり強烈だ。
いじめに対して不思議な力で仕返しする作品に、藤子不二夫A先生の「魔太郎がくる!!」がある。
「不思議のたたりちゃん」も基本パターンは、魔太郎と同じく「いじめられる→不思議な力で仕返し」なのだが、たたりちゃんは作品全体がずいぶんとねちっこく陰鬱だ。
たたりの力で、相手を完膚なきまでに叩きのめすのだが、とにかくどれも後味がめちゃくちゃに悪い。
ことごとくイヤ~なツボをついてくる、まさにホラーなのである。
ただ、この作品、誰にでもすすめられるかといったら、決してそうではない。
特に、いじめのシーンはかなりえげつなく、眉をひそめる人もいるだろう。
ホラーとして非常にパンチが効いている作品ではあるが、創作を創作としてたのしめる人向けの作品といえるだろう。
妙な中毒性がある
そんなたたりちゃんだが、妙に続きが気になる中毒性がある。
これは犬木加代子先生の作品全般にいえることだが、気持ち悪いしえげつないけど、でも読んじゃうのである。
この作品も強烈だ。
表紙からしてヤバさ満点だが、これもまた妙な中毒性があり、いったん読み始めるとやめられなくなってしまうところがある。
こうした作品も、電子書籍ならこっそり読むことができる。
Kindle Unlimitedなら、犬木加奈子先生の作品も読み放題だ。
ミステリーな仏像
最近、仏像について書かれた本を読むのがたのしい。
というわけで、今日は最近読んだ本を紹介しよう。
ミステリーな仏像
ピースをする仏像がインパクト抜群の1冊。
各地にある不思議なポーズ・謎の姿をした仏像をとりあげているのだが、実に面白い本だ。
特にいいのは、それぞれの仏像やそのルーツに真摯に向き合っているところだろう。内容が実に濃く、この方面の専門書といっても過言ではない仕上がりだ。
自らを「神仏探偵」と称する本田不二雄先生によるすばらしい1冊だ。
かくれ里
つづいては、白洲正子先生の「かくれ里」である。
ワタクシはこれまで白洲正子先生の本を読んだことがなかったのだが、図書館でみつけた「別冊太陽 白洲正子の旅」を読んで一気にハマってしまった。
十一面観音に興味を持ったことから手にしたのだが、文章の美しさにノックアウトされてしまった。
読みながら「こんな美しい文章に触れるのはいつ以来だろう」と感じてしまった。しばらくはハマリ続けていきそうな予感だ。
好きです、近江の仏像
これも十一面観音に興味を持ったことから手にした1冊。
写真はなく、約70体の仏像がイラストで書かれているのが面白いところ。
初心者目線で描かれており、とてもわかりやすくていい本だ。
ただ、この類の本に多いのだが、「仏様」ではなく「ほとけさま」なんだよな。
女子的なたのしみ方や「ほとけさまに会いにいく」といった表現に、薄ら寒さを感じる人にとっては厳しいかもしれない。
プロの草野球選手(笑)によるエッセイマンガ「BAT DAYS」
今日は、プロの草野球選手によるエッセイマンガを紹介しよう。
プロ野球ではなく、「草野球」のプロ選手のエッセイだ。
これ、めちゃくちゃ面白いですよ!
草野球で生活する男
草野球とは、趣味でする野球のことをいう。
「BAT DAYS」は、その草野球でゼニを稼ぎ、生き抜いてきた男のエッセイである。
作者は、徳光康之先生。
そう、先日このブログで紹介した「マンガ家」だ。
・・・が、「BAT DAYS」の第1章では、肩書きが「元マンガ家」になっている。
本業はそう、「草野球」である(笑)。
草野球でどうやって食べていくのか
この作品を読んで驚かされるのは、まごうことなくプロの草野球選手であるということである。
6チームをかけもちし、年間100試合以上に出場。
ホームランや打点をあげてビール券や商品券をゲットし、試合後にはオーナー主催の打ち上げでタダ酒、タダメシをいただく。
試合中はベンチにあるおつまみを食し、ゲットしたビール券や商品券の類は金券ショップに売れば現金になる。
草野球で食べていく―まさに草野球だからこそのプロ生活である。
川原正敏先生の描き下ろしマンガも読める
BAT DAYSには、なんと川原正敏先生の描き下ろしマンガも掲載されている。
川原正敏先生といえば、「修羅の門」シリーズでご存知の方も多いだろう。
BAT DAYSの中では、エッセイマンガ(貴重!)を描いており、帯やあとがきも書いている。
プロの草野球選手は、もともと川原正敏先生の草野球チームに所属していた縁からである。
まとめ
「BAT DAYS」は、なかなか知ることのできない草野球の世界を見ることができ、非常に面白い作品だ。
徳光康之先生の作品は、現在、多数の作品が電子書籍化されている。
Kindle Unlimitedなら読み放題なのもうれしいところだ。
ヒクソンと対峙する鬼藪宙道!そして前田日明が!
先日はぶっとんだ野球マンガ「メガトン球団」を紹介したが、今回は作者の徳光康之先生について書いてみよう。
徳光康之先生はツボにはまった人にはたまらない作品を描いているが、代表作といえばやはりこれだろう。
最狂 超プロレスファン烈伝
1990年代のプロレスを体感した人にはたまらない作品だろう。
プロレスファンの思いをここまで描ききった作品をワタクシは知らない。
2015年からは、電子書籍で復活。5.2巻では、ヒクソンと鬼藪宙道がついにクロスする。
並行世界ではあるが、ヒクソンと前田日明が対峙するシーンは、心が震えたよ。
電子書籍版では1巻~読むことができるので、興味がある人はぜひ読んでほしい。
いきなりバックドロップ犬
かつての少年マガジンの読者の方にとっては、こちらのほうが記憶に残っているかもしれない。
いきなりバックドロップ犬である。
徳光康之先生のデビュー作で、いきなりバックドロップをする犬が主役のマンガである。
今読むとさすがに時代を感じさせる部分があるが、今見ても実にいいバックドロップをしている。
妹ガンダム
ジオン空手の継承者である妹が主人公のマンガ。
Kindleの内容紹介から抜粋してみよう。
「ジオン好きですか?」秋葉原で、そう尋ねる少女・ジオン空手二代目継承者「月蔵奈打(つきぐら・なだ)」は自分より強いジオン好き男を探し出すために勝負を挑む!来るべき宇宙世紀にガンダムを倒す子孫・一子相伝のジオン空手継承者を残すために!
・・・なんだか頭が破裂しそうな世界観であるが、いったん読み始めると、妙にあとをひく面白さがある。
ガンダムごっこをしていたら、リアルにドムの攻撃を繰り出せるようになった少女と対決するとか、なんだかいろいろとすさまじいマンガである。
まとめ
今回紹介した徳光康之先生の作品はいずれも電子書籍化されていて、Kindleでたのしむことができる。
Kindle Unlimitedなら読み放題だ。「妹ガンダム」のようなユニークな作品も気軽に読めるのは非常に大きい。
虎がボクを食うのに夢中の間にストライクをかせいでください 「メガトン球団」
Kindle Unlimitedのラインナップを見ていたら、これは!という作品があった。
その名も メガトン球団 である。
この表紙の画像でピンと来た人もいるだろう。そう、かの名作マンガ「アストロ球団」のオマージュである。
ピッチャーが気合を入れすぎて血管が切れて死亡
この作品、冒頭からすさまじい。
日本一まであとツーアウト。ピッチャーが気合を入れすぎて血管が切れて死亡してしまうのである。
死亡するのは、アストロ球団の主役・宇野球一のパロディキャラ、「右脳棒一」である。
ちなみにこれがパロディ元の宇野球一である。
メガトン球団では、死んでしまった棒一をマウンドに埋葬し、残り8人で試合を続行する。
まさに血涙ふりしぼる展開から物語がはじまっていく。
虎がボクを食うのに夢中の間にストライクをかせいでください
なりふり構わずに勝利に向かっていくのも、アストロ球団イズムだ。
相手球団は、代打の切り札に虎を送り込む。バッターでもなんでもない、野生の虎である。
「虎がキャッチャーに襲い掛かる→動揺したピッチャーがボークをとられる」というまわりくどい作戦なのだが、襲われているキャッチャーのセリフが実に美しい。
投げてッ 投げてください 棒八さん
虎がボクを食うのに夢中の間にストライクをかせいでください
まさに、アストロ球団の一試合完全燃焼のスピリッツを受け継いだ作品なのである。
まとめ
メガトン球団は、Kindle Unlimitedなら読み放題で読むことができる。
こうしたユニークな作品を気軽に読めるのも大きな魅力だ。
今田たま「家族がいなくなった日 ある犯罪被害者家族の記録」
深く考えさせられる作品に出会ってしまった。
今田たま「家族がいなくなった日 ある犯罪被害者家族の記録」だ。
強盗殺人事件で父親を失った作者によるノンフィクションエッセイである。
ある日突然、被害者家族に
物語は、作者の今田たまさんが最愛の父を失うところからはじまる。
これ以上ないというぐらいに理不尽な理由で殺された父。悲しみ、絶望、そしてほんの少し前を向けるまで。
この本は、ある日突然、被害者家族になってしまった家族の記録である。
心に深く突き刺さる作品
読んだ感想を書いてみよう。
ここまですさまじい作品とは・・・と正直驚いている。
というのも、この作品はマンガなのだが、絵に少々癖がある。昨今のマンガに比べると、稚拙な印象を受ける人もいるだろう。
Kindleでは最初の数ページを試し読みできるが、「・・・えっ!?」と思う人もいるかもしれない。
正直に言うと、ワタクシもそうだった。だが、実際に読み始めてみて、考えが変わった。
これほど感情があふれ、これほど心に突き刺さる絵があるだろうか。
そう、作者の思いや感情がビンビンと伝わってくるのである。
伝わる絵、心に突き刺さる絵といっていいだろう。技術だけでは語れない、まさに一筆入魂の作品だ。
多くの人に読んでほしい作品
この作品は、感情がとことんリアルだ。加害者への感情も、これは小説でもドラマでもないんだということを感じさせられる。
そして、生きるということ、人間というものをとことん考えさせられる。
ぜひ多くの人に読んでほしい作品だ。
家族がいなくなった日 ある犯罪被害者家族の記録 (ぶんか社コミックス)
- 作者: 今田たま
- 出版社/メーカー: ぶんか社
- 発売日: 2016/03/04
- メディア: Kindle版
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妻にバレないようにヒットマンをするぜ!「今日からヒットマン」
Kindle Unlimitedのラインナップに、「今日からヒットマン」があった。
週刊漫画ゴラクで長く連載されていた傑作マンガだ。これはうれしい!
今日からヒットマン
「今日からヒットマン」は、週刊漫画ゴラクで2005年から2015年まで連載されていたマンガ作品だ。
ある日、突然、伝説のヒットマンの名を継ぐことになったサラリーマンが、表と裏の二重生活を送るという物語だ。
妻にバレないようにヒットマンをするところもユニークで、大変に面白い作品だ。
ガンアクションも素晴らしいが、ストーリーやキャラクターも魅力的だ。
特にヒロインの「ちなつ」はすさまじい存在感があり、外伝では主役に抜擢されている。
「今日からヒットマン」は、絵柄・ストーリー・キャラクターともに、なんとも「週刊漫画ゴラクらしい」作品だ。
まとめ
この記事を書いている時点では、全巻Kindle化されており、Kindle Unlimitedなら14巻まで読み放題だ。非常に面白いので、ぜひ多くの人に読んでほしい作品だ。