Kindle Unlimitedで青木雄二「ナニワ金融道」を読む
Kindle Unlimitedで青木雄二先生の「ナニワ金融道」を読み始めた。
何度読んでも抜群に面白い。
ナニワ金融道
実は「ナニワ金融道」は、もともと紙の本で持っていたのだが、だいぶ前にすべて処分してしまったのだ。全19冊の単行本はかなりスペースをとる。また読みたくなったら電子書籍ででも買えばいいと思い、手放したわけだ。
そんな経緯で紙の本を処分したので、Kindle Unlimitedのラインナップに「ナニワ金融道」を発見したのは、実に幸運だった。
「ナニワ金融道」は金融の世界を舞台にしているが、そこに描かれているのは「踏み外した人たちの人生」だ。
絵柄ももちろんだが、看板も特長的だ。
ちなみに、主人公・灰原達之が勤める帝国金融の社員は、某プロ野球チームの選手の名字と同じ名字の人が多い。桑田、元木、吉村・・・と、一癖も二癖もあるキャラクターばかりだ。
青木雄二先生の没後に、青木雄二プロダクションから続編なども発表されているが・・・
絵柄やスタイルは青木雄二先生のそれを継承しているが、どうも「根っこの部分」が違うように思うのはワタクシだけだろうか。
アガサ・クリスティ「オリエント急行殺人事件」
アガサ・クリスティ「オリエント急行殺人事件」を読んだ。
「オリエント急行殺人事件」は、言わずと知れたアガサ・クリスティの代表作の1つで、日本では「オリエント急行の殺人」というタイトルでも知られている。
原題は「Murder on the Orient Express」なので、どう訳すかといったところだろう。今回はワタクシが読んだタイトルのほう、「オリエント急行殺人事件」で話をすすめていこう。
オリエント急行殺人事件
「オリエント急行殺人事件」は1934年の作品で、日本でもこれまでに様々な出版社から発売されている。今回ワタクシが読んだのは1960年発売の蕗沢忠枝訳のものである。
大正生まれの翻訳家ということもあり、今読むと、言い回しに時代を感じさせる部分があるが、かえってそれが物語の雰囲気を高めているのが面白いところだ。
読みやすさでいえば新訳版かもしれないが、昔の作品にはやはり古めかしさが必要だ。
ただ、蕗沢忠枝版は絶版になっているので、入手しやすいのは新訳版だろう。
翻訳者や出版社、あるいは時代によって、表記が少しずつ違うところも面白い。
山本版では「ポアロ」になっているが蕗沢版では「ポワロ」、「クリスティ」と「クリスティー」など、表記の違いによってずいぶんと印象が変わってくる。
凄みと色気のある作品
オリエント急行殺人事件の内容については、「BOOK」データベースより紹介文を引用してみよう。
数日がかりでヨーロッパを走り抜ける豪華寝台列車、オリエント急行。さまざまな国の客が乗り合わせたその日の列車は、雪の中で立ち往生してしまう。しかも車内で殺人事件まで起こった。殺されたのは、金持ちのアメリカ人男性。たまたまこの列車に乗っていた名探偵エルキュール・ポアロは、事件を調査することになる。
犯人は乗客の誰かにまちがいない。ところが全員にアリバイがあるのだ。はたして、ポアロの推理は…。
名作として語り継がれてきた作品には、やはり独特の凄みと色気がある―読み終わった時、そう思った。
「そして誰もいなくなった」でも思ったが、純粋に「人間」を描いた作品としても本当に面白い。文章自体はシンプルだが、その裏に流れるものは非常に深い。
そして、さらに嬉しいのは、まさに「推理」小説であるということ。すばらしい!
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クラスを「独裁国家」にしたら何が起こったか 「THE WAVE ウェイヴ」
「THE WAVE ウェイヴ」を観た。
これは非常に興味深い作品だった。
授業のテーマは「独裁」、クラスに異変が起こっていく
「ウェイブ」は2008年公開のドイツ映画である。実話をもとにした作品だ。
ある学校でクラスを「独裁国家」に見立てた実習を行ったところ、何が起こったのか・・・という映画だ。
万人受けするタイプの映画ではないが、こういった作品に出会えるのが映画の面白いところだ。
次第にクラスや人々が変容していく様は非常に恐ろしい。だが、もっと恐ろしいのは、ここで描かれている「心理」は、決して特殊な例でないということだ。
作品ではクラスの変容がやや急に感じる部分もあるが、メディアや数字にコロッと乗っけられて染まってしまう人たちをみれば、リアルのほうがもっと歪なのかもしれない。
しっかりとつくられた作品
「ウェイヴ」は、映画としても非常によくできている。
こだわりが見られる画づくり・見事なカット割り・構成の巧みさ・・・などなど、見どころが大変に多い。
「取り上げている題材」で敬遠する人もいるかもしれないが、ぜひ多くの人に観てほしい作品だ。
ちなみに「実話をもとにした」という作品は、あくまで「もとにした」という点に注意が必要だ。
ESETの体験版を使いはじめて数日ほどたった
ESETの体験版を使いはじめて数日ほどたった。
今のところ、感触は上々だ。
PCを立ち上げる際に、ほんの少し時間がかかるようになったかな?と感じる程度で、それ以外は使っていて全く気にならない。非常に「軽い」という印象だ。
「軽さ」がうれしい
特に、ウイルスバスタークラウドで時々あった、リアルタイムスキャンによるひっかかりのようなものは全くなくなった。これが起こるとPCが急に重くなり、本当に困っていたのだ。今は実に快適だ。
ウイルスバスタークラウドを3年使って、セキュリティソフトにはPCの保護はもちろんだが、動作の快適さも必要だと痛感した。
多少重さがあったとしても、PC作業に支障が出るほど重くなるのは、ワタクシにとっては非常に厳しいことだ。
あくまで現段階での感想ではあるが、ESETの「軽さ」は本当に嬉しい。
やはりこのキャラクターは癖になる
どうもこのキャラクターが気に入ってしまったようで、毎回みるたびにニヤニヤしてしまうワタクシである。
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熊谷達也「漂白の牙」
熊谷達也「漂白の牙」を読んだ。
第19回新田次郎文学賞を受賞した作品だ。
漂白の牙
さっそく「BOOK」データベースより紹介文を引用してみよう
雪深い東北の山奥で、主婦が野犬とおぼしき野獣に喰い殺されるという凄惨な事件が起きた。現場付近では、絶滅したはずのオオカミを目撃したという噂が流れる。果たして「犯人」は生きのびたニホンオオカミなのか?やがて、次々と血に飢えた謎の獣による犠牲者が…。愛妻を殺された動物学者・城島の必死の追跡が始まる。
物語としては「自然と人間」というテーマを軸に、ミステリ的な要素を絡めたつくりになっている。
面白いは面白いが・・・
先に言っておこう。この作品は面白い。
だが、熊谷達也氏の作品として考えると「物足りなさ」を感じるのが正直なところだ。
先に「邂逅の森」「相剋の森」を読んだということもあるだろう、初期の作品ということもあって「漂白の牙」はずいぶんと「?」と感じる部分があった。
もっとも大きな点は、ミステリ要素を絡めているところだろう。
それが2時間ドラマの刑事モノのようなノリで、自然をテーマにした部分とどうにも噛み合っていない。
女性の描写
「相剋の森」の記事でも書いたが、この作者は女性の描写が苦手なのかもしれない。
あまりこういう表現は使いたくないが、読んでいるとどうしても「この女、頭がおかしいんじゃないか?」と感じてしまう。
思考回路がどうなっているのかさっぱり分からない。
「絶対にあけないように」と頼まれた封筒を勝手に開け、その内容にまったく筋違いのキレ方をして、それを封を開けたままで相手に投げつける。その封筒の中身は「殺された奥さん」に関係する資料という・・・人としておかしいだろ、お前・・・というキャラクターである。
「相剋の森」でもそうだったが、なぜ女性キャラになると、そろいもそろって頭がおかしくなるのか・・・。その上、自己主張が激しいときているから、全く困ったものである。
面白い作品であるだけに、その点が非常に残念だ。
アガサ・クリスティー「そして誰もいなくなった」
アガサ・クリスティー「そして誰もいなくなった」を読んだ。
ずいぶん前に読んだ記憶があるが、あらためて読んでみた。いやぁ、震えがくるぐらいにすごい作品だ。
そして誰もいなくなった
「そして誰もいなくなった」は今から80年近く前、1939年に刊行された作品だ。
原題は「And Then There Were None」(発表当時は違ったタイトルだったが、改題された)。
現在は、新訳版(青木久恵訳)が出ているが、言い回し等、様々な部分で違いがある。最も大きな違いは「童謡」と「島の名前」だろう。
旧版(清水俊治訳)で使われていたものは差別用語にあたるとして、名称が変わっている。そのため、旧版と新訳版では、物語の雰囲気が違ってみえる部分がある。
まさに名作ミステリ
それにしても、すさまじい完成度の作品だ。
特に、シンプルでありながら、全く不足のない描写には驚かされる。「行間を読ませる」とはこのことだろう。全部を書いていなくても、あれこれと想像させられる。
構成も抜群で、小説としての完成度も非常に高い―読んでいてそう思うことしきりだった。
純粋に「読んでいて面白い」―これぞ娯楽!すばらしい作品だ。
- 作者: アガサクリスティー,Agatha Christie,清水俊二
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「いいところもあれば、気になるところもある」それでいいのではないか
セキュリティソフトを探している時に気づいたことがある。
それは、セキュリティソフトにも「ユーザーごとで、派閥のようなものがあるのだろうか」ということである。
レビューをみていると、やたらとライバルメーカーをこき下ろしているものや、一方を持ち上げるために別メーカーを下げる、といった類の文章が少なくない。
いいところもあれば、気になるところもある
これはネット上でよくみられる現象ではあるが、これが「お仕事」でないとしたら、ワタクシにはちょっと理解できない感覚である。
どんな商品だって、いいところもあれば気になるところもある―それでいいのではないかとワタクシは思っている。
「自分に合うかどうか」
たとえば、ワタクシは今、brotherのプリンタを使っている。長年使ってきたキヤノンのプリンタからの乗り換えである。
非常に満足しているが、それはあくまで「ワタクシのニーズにあっていたから」である。当然、気になる点もあるし、キヤノンのほうが優れていると感じる部分もある。
だが、ワタクシにとっては「自分のニーズ」にこたえてくれるのがbrotherのほうだったのだ。「自分の用途に関してベストだった」というわけである。
レビュー
最初の話に戻ろう。セキュリティソフトのレビューに関しては「どこまで信用できるのか」ということを強く感じてしまった。
ソフトを比較しているサイトも同様で「こりゃあ、書かれていることを鵜呑みにするのはまずいかも」という気にさせられてしまった。
情報の精度に関しては、某企業のキュレーションサイトが問題になったが、全体にはびこってきているように思える。