クラスを「独裁国家」にしたら何が起こったか 「THE WAVE ウェイヴ」
「THE WAVE ウェイヴ」を観た。
これは非常に興味深い作品だった。
授業のテーマは「独裁」、クラスに異変が起こっていく
「ウェイブ」は2008年公開のドイツ映画である。実話をもとにした作品だ。
ある学校でクラスを「独裁国家」に見立てた実習を行ったところ、何が起こったのか・・・という映画だ。
万人受けするタイプの映画ではないが、こういった作品に出会えるのが映画の面白いところだ。
次第にクラスや人々が変容していく様は非常に恐ろしい。だが、もっと恐ろしいのは、ここで描かれている「心理」は、決して特殊な例でないということだ。
作品ではクラスの変容がやや急に感じる部分もあるが、メディアや数字にコロッと乗っけられて染まってしまう人たちをみれば、リアルのほうがもっと歪なのかもしれない。
しっかりとつくられた作品
「ウェイヴ」は、映画としても非常によくできている。
こだわりが見られる画づくり・見事なカット割り・構成の巧みさ・・・などなど、見どころが大変に多い。
「取り上げている題材」で敬遠する人もいるかもしれないが、ぜひ多くの人に観てほしい作品だ。
ちなみに「実話をもとにした」という作品は、あくまで「もとにした」という点に注意が必要だ。