「紙の本を買ってください」系の話に思うこと
このところ「紙の本を買ってください」系の話をちょこちょこと目にする。
たいていは、その後に「紙の本を買わないと、地元の本屋がなくなっちゃいますよ?」とか「作家としては紙の本が売れないときついんです(電子書籍のほうで売れても、あんまり意味ないんだよねー)」とか「初動で~冊売れないと続かないんですぅ・・・」とかいう話が続く。
目にするたびに思うんだけど、なんかこういうの気持ち悪くない?
買わないほうが悪いのか?
ワタクシはSNSはやっていないが、それでもコレ系の話はよく目にする。おそらくSNSをやっている人はもっと目にしていることだろう。
こんなこといわれたって「ふだん紙の本を買っている人は何をしたらいいの?」という話である。
1人で同じ本を10冊とか20冊とか買えって話なのか?
それでも地元の本屋がつぶれたり、連載が続かなかったりしたら、ワタクシが買い足りなかったって話になるのか?と思うのである。
紙の本を買い続けてきた人間としては、自分が好きな作家とか出版する側とかがこんなことばっか言ってたら、やっぱつれぇわ。
そもそも買っている人は買っている
ワタクシは、できれば紙の本を買い続けたいと思っている。
だけどね、残しておきたいと思える本が本当に少ないのよ。
よく電子書籍は「所有権を買うわけではないから」と言われるが、「そこまで所有しておきたい本ってほとんどないから」という話である。
「本好き」に訴えかけることに意味があるのか?
本をとりまく状況が厳しいのは理解しているが、本を買わせるための工夫が読者への「紙の本を買ってくれないと大変なんですぅ」とか「紙の本を買わなきゃ損するのはあなたたちですよ?」的なアプローチってなんだよという話である。
買っている人だって、いっぱいいるんだっての。何、応援してくれている人たちを煽ってんだよ。
だいたい、本好きに訴えかけても意味ないと思うんだよな。
一時的には何とかなるかもしれないけど、こんなことやってたら先がないよなあと思う。