スタン・ハンセン「日は、また昇る。 THE SUN ALSO RISES」を読んだ
スタン・ハンセン「日は、また昇る。 THE SUN ALSO RISES」を読んだ。人として素晴らしすぎるだろ、ハンセン・・・と思ってしまった。
なんという人格者
この本は、2000年に引退したプロレスラー、スタン・ハンセンによるものだが、人として大切なことがつまった1冊だ。
感謝、リスペクト、生きるということについて、まっすぐにやさしく書かれた本だ。ワタクシはいろいろなスポーツ選手の本を読んできたが、ここまで心に響く本はなかなかないように思う。
現役時代から人がいいという話は聞いていたが、ここまでの人格者だったとは・・・。「聖人」といっても過言ではないぐらいに素晴らしい。プロレスに興味がない人にもぜひ読んでほしい1冊だ。
日は、また昇る。 THE SUN ALSO RISES.: 男の引き際と、闘うべきとき TIME TO MOVE ON, TIME TO FIGHT.
- 作者: スタンハンセン,Stan Hansen
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2015/11/13
- メディア: 単行本
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スタン・ハンセン
執筆時現在、スタン・ハンセンは地域活動やボランティア活動を1つのたのしみとして、おだやかに暮らしている。
ちなみに、日本のあるメディアが「ハンセンはプロレスで稼いだお金をすべて治療に使ってしまった」と報じたらしいが、この本できっぱりと否定されている(テレビ放送に関しても、違和感のあるつくりだったと書いている)。
もう1ついえば、おそらく梶原一騎先生原作の「プロレススーパースター列伝」を指すであろうことも書かれている。ウエスタン・ラリアットの特訓に、ドラム缶に腕を打ちつけるなんてことはしていないよ!だそうだ。
まとめ
語り口もやわらかく非常に読みやすい本だ。プロレスラーが書いた本というよりも、人生の大先輩がやさしく語りかけてくれるような本だ。
ジャンルを問わず、ここまで達観した本はなかなかないのではないだろうか。
興味のある人はぜひ読んで欲しい1冊だ。
本を読むリズム
端末で小説を読むことにすっかり慣れた。
最初は、紙の本と比べてずいぶん読みにくいなあと思っていたが、いったん慣れてしまえば便利なことばかりだ。
読むリズムが違う
ワタクシが電子書籍の小説を読むのになかなか慣れなかったのは、リズムの違いだ。
紙の本は開くと2ページ分が目に入るが、電子書籍の場合は、端末の仕様にもよるが、だいたい1ページずつだ。
紙の本であれば見開き、つまり2ページ読んだらめくるというスタイルだが、電子書籍は1ページずつめくらなくてはいけない。
このリズムの違いがどうにもしっくりこず、読むペースがつかみきれなかったのである。
そのことに気づいてから、紙とは別モノと考えることにした。そうしたら、すっと入り込むことができるようになった。
紙の本と同じようなところもあれば、紙の本と違うところもある。それが電子書籍なのだなあとあらためて思った。
電子書籍こそ難解な本にチャレンジしやすいのではないだろうか
電子書籍は本当に便利だ。わからない言葉があればすぐに調べられるし、マーカーで線もひき放題だ。本の中の語句も検索できる。
ふと思ったのだが、電子書籍こそ、難解な本にチャレンジしやすいのではないだろうか。
辞書を片手に読むような本はずいぶんとはかどるのではないかと思う。また、登場人物の多い小説にもよさそうだ。
たとえばトルストイの「戦争と平和」は、登場人物の数がすさまじいが、読んでいて「あれ、誰だっけ?」という人が出てきても、本文を検索すれば登場時にさかのぼって読み返せる。
ワタクシのように「本に書きこむなんてとんでもない!」という人にも電子書籍はおすすめだ。マーカーで線をひくたのしさに出会えるぞ。
電子書籍で大判の本を買ってみた
最初は紙の本を買おうと思っていたのだが、近隣の書店をまわってもみつからなかったので電子書籍にしたわけだ。
電子書籍
最初に、紙の本のほうを探していた理由は、大判の本だったからだ。
電子書籍は、文庫本ぐらいのサイズだとスマホやタブレットでも読みやすいが、大判の本は拡大しながらでないとちょっと読みにくい感じだ。
各ページとも拡大&スクロールしながら読む必要があるため、紙の本より手間がかかるのである。
そんなわけで、電子書籍で買うのを迷っていたのだが、結論から先に言うと、買ってよかった!というか、悩むことなんてまったくなかったんだぜ!というぐらいに便利でいい。
ちなみに、ワタクシはFire HD 8を使っている。このところはほぼ読書&音楽プレーヤー専用になっている。
拡大&スクロール
今回買ったのは大判の解説書だったのだが、拡大&スクロールをしながら読むことで、かえってじっくりと読めるようになった。
紙の本だったら、サッと目を通してパラパラとめくってしまうようなページも、注意深く目がいくようになった。
あと、何気にページのシワとか気にしなくていいのも嬉しいところだ。大判の本って、ちょっとしたことですぐにページにシワが入ってしまうんだよね。
それと、表紙がずれるのも気にしなくていいのも大きい。大判の本って表紙がずれて、ずれたところにシワが入ることも多いからのう。
そんなわけで、ワタクシは大満足なのである。
大判の本
ただ、ワタクシが買ったのは大判の本といっても解説書の類である。大判だからこその魅力があるもの、たとえば画集や写真集なんかだと、感じ方が違うかもしれない。
だが、大判の本でも置き場所に困らないのは本当にいい。
紙の本のように売ることはできないが、ワタクシは電子書籍に十分すぎるほどのメリットを感じている。
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1冊の「ふせんノート」で人生は、はかどる
先日、図書館でこんな本をみかけたので読んでみたが、これはひどい・・・。
タイトルからして貼り合せ・・・というか、語呂悪いな、おい!
1冊の「ふせんノート」で人生は、はかどる
どうみても地雷という感じだったが、せっかくなのでそのまま図書館で読んでみた。
これは図書館のヘビーユーザーなら分かると思うが、借りるのももったいない本ってあるよね。
この本は、ワタクシにとってそんな予感がぷんぷんします!という本だったので、そのまま読むことにしたわけだ。
それ、既存の方法の目先を変えただけだから
内容は、この手の本に多い「既存の方法よりもっとやり方があります!」というつくりだが、なんというかな、それをお前の方法にしてしまうのか?というものだった。
要は、ガワだけほんの少しアレンジして(したようにみせて)、それを自分が開発した方法です、みたいにアピールしている本である。
最近はこういう類の本をよく目にするが、あまりにジャンルをつくってきた人たちを舐めすぎというか、気持ちの悪いずうずうしさを感じてならない。
まあ、これは著者だけでなく出版する側にも問題があるのだろうが、それにしてもひどい本である。
どこまで読む必要があるのか
手帳術もノート術も、何冊か読んだらそれで十分ではないだろうか。そこで答えが見つからないようなら、何十冊読んでもたぶん一緒だと思う。
ちなみに、ワタクシは読み物的な感覚で手に取ることが多いが、最近は読み物としてもつまらない本ばかりですなあ。
ふせんはのりが残るので、本によくない
以前、ふせんはのりが残るので、本にはよくないという話を聞いたことがある。
「え、そうなの!?」と思ったが、長い間、ふせんを貼りっぱなしだった本から剥がしてみると確かにぺたぺたする。
それを知って以来、ワタクシは貼る本を選ぶようになった。
ふせんののりが残る
経年によってそうなるのか、構造上そうなるのかはわからないが、中にはページとページがくっついてしまうぐらいにのりが残ったものもあった。
具体的なデータをとったわけではないが、感覚的には100円ショップのものがそうなりやすい感じだ。
ぺたぺたを味わうたびに、ちゃんとしたふせんを買わなくては・・・と思うのだが、100円ショップのふせんは、枚数も多いし、面白いのも多いからなあ・・・。
本によって使い分けるのがいいかもしれない。
100円ショップのふせん
先日買った100円ショップのふせんは、のりのついている範囲が広くて非常に使いにくい。
枚数につられて買ったのだが、こうなると地獄である。捨てるのはどうかと思うし、なんとか使い切りたいところだが、まだ700枚以上も残っているこのつらさよ・・・。
この類の本のターゲットがわからないワタクシである。ねえ、なんでふせんである必要があるの、ねえ!
読んでみると実はむずかしくない
前回、前々回と、ワタクシが読んだ「孫子」本について書いた。
どちらも散々な内容だったが、パッとみた感じは「わかりやすく学べそう」と思わせてくれる。
だが、そういった本は、実は遠回りと言うものも多い。今回はそんな話だ。
読んでみるとむずかしくない
本を読む時は、できるだけ原書に近いものを読むのがよいとワタクシは思っている。
たとえば「孫子」は難しそうなイメージがあるが、実はさほど難しくない。
上に挙げた浅野裕一先生の本は、竹簡に記された「孫子」を底本にしている。一般に伝えられてきたものよりも年代が古く、原書に近いものだ。
こういうと難解そうな感じだが、浅野裕一先生「孫子」は非常に読みやすい。やわらかい語り口で、丁寧に解説してくれているので、この方面に明るくなくても、存分に堪能できる1冊だ。
解説本の体を装って、著者の持論ばかりを展開される孫子本を何冊も読むよりも、きちんとした本を1冊読んだほうが絶対にいい。
金谷治先生の「孫子」もワタクシの好きな1冊だ。まっとうに訳し、まっとうに解説されている。
解説本はそのあとでいい
上に挙げたのは、ワタクシのおすすめの「孫子」本だ。解説書をあたるのはこれを読んでからのほうが、良し悪しの判断がしやすいように思う。
以前、このブログで新訳版の問題でも書いたが、「わかりやすいようにみえる」が実は問題だらけというものも多い。
こうしたものは「原書に近いものを知らないと気づかない」点も多く、レビューの数や売れた数だけでは判断できないのが難しいところだ。
信用して本を買いにくい時代でもあるかもしれない。
これもひどい・・・田口圭史「超訳 孫子の兵法」
先日、散々な内容の「孫子」本にあたってしまった話を書いたが、怖いものみたさで別の本も見てみた。読んでみたのはこれだ。
超訳 孫子の兵法
まさに見えている地雷といえよう「超訳」本である。ブックオフで108円だったので手にしてみたわけだが、ワタクシが甘かった。タダでもいらない本とはまさにこのことではないだろうか。
あんた、絶対に理解していないだろ・・・
超訳本のひどさは、ある程度理解していたつもりだったが、この本はすごい。
孫子の言葉のあとに超訳が書かれているわけだが、初っ端から「あんた、元の意味、絶対に理解していないだろ・・・」と思わせてくれる。
言うなれば、人の話をろくに聞かずに分かった気になって、全くとんちんかんなことを言い出すおっさんそのものな本だ。
ダメな上司が知った風に語るのを聞くのと同じで、心の中でプークスクスクスwwwと思いながら流すというのが、正しい読み方だろう。
超訳 孫子の兵法 「最後に勝つ人」の絶対ルール (知的生きかた文庫)
- 作者: 田口佳史
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2013/12/24
- メディア: 文庫
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超訳本
しかし、この本に限らず、超訳本のターゲットってどのあたりなんだろうな。
それこそ、上で挙げたようなダメな上司が読んで、余計にプークスクスクスwwwと思われるようなのが狙いなのだろうか。