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カメラとへんてこなものを愛するフリーランス。カメラ、映画、へんてこなどのネタをつぶやきます。

黒川博行「蒼煌(そうこう)」を読んだ

黒川博行「蒼煌(そうこう)」を読んだ。これは面白いですなあ!

蒼煌 (文春文庫)

蒼煌 (文春文庫)

 

この作品のテーマは「日本の美術界」。ある日本画家が、芸術院会員を目指す過程を描いた作品だが、こりゃあ、ドス黒い世界ですなあ、本当に闇だな、こりゃあ!

うすうす感じてはいたが

この小説はフィクションという体で書かれているが、「これって現実では・・・」と思わされる部分が大変に多い。

美術や芸術というと「なぜこの作家が」「なぜこの作品が(評価されてんの?)」と思うことがあるだろう。

そういった、うすうす感じていたことへの答えがこの本には存分に書かれている。

現実にあてはめて読む

この本の登場人物は、実在の人がモチーフではないかといわれている。人物だけでなく、作中に出てくる組織や大学などモチーフがあるらしい。

この方面に詳しい人は、そういったたのしみ方もできる1冊だ。

ワタクシはそっち方面にはちっとも詳しくはないが、「入選」「特選」とかの話は非常に面白かった。とりあえずドス黒い、実にろくでもないとだけいっておこう。

黒川博行

著者は黒川博行氏はもともと芸大出身で、高校で美術を教えていたそうだ。それもあって、細かいディティールが実に面白い。

美術をテーマにした本は、これ以外にもいくつかあって、どれもたまらない魅力がある。

文福茶釜 (文春文庫)

文福茶釜 (文春文庫)

 

小説としても大変面白いので、美術の知識なしでも十分にたのしめる。

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