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カメラとへんてこなものを愛するフリーランス。カメラ、映画、へんてこなどのネタをつぶやきます。

素晴らしすぎる1冊「東京のたい焼き ほぼ百匹手帖」

今回は「東京のたい焼き ほぼ百匹手帖」を紹介しよう。

東京のたい焼き ほぼ百匹手帖 (立東舎)

たい焼きが食べたくて食べたくてたまらなくなる、素晴らしい1冊だ。

百匹ではおさまらないので「ほぼ百匹」

著者のイワイサトシ氏は、これまでに3000匹のたい焼きを食べてきたそうだ。「道行きもたい焼きの味です」といい、電車を乗り継ぎ、東京の街を歩いてたい焼き屋に向かう―。

そんな著者の「たい焼きへの思い」が凝縮されたかのような1冊だ。写真も文章もことごとく素晴らしい。ぜひ多くの人に読んでほしい1冊だ。

東京のたい焼き ほぼ百匹手帖 (立東舎)

東京のたい焼き ほぼ百匹手帖 (立東舎)

 

 

たい焼きには5回の食べごろがある

本書にはたい焼きの写真と解説のほかに、著者のコラムが乗っているのだが、これが抜群に面白い。

中でも「たい焼きには5回の食べごろがある」というコラムは最高に面白い。この本を手に取った人はぜひ読んで欲しい話である。

ちなみに、著者のイワイサトシ氏は、1軒のたい焼き屋で7匹ほど買うそうだ。

その場で焼きたてのうちに2匹を食べ、残った5匹は平日のうちに食べる。そして週末に再びたい焼き屋へ―というサイクルでたのしんでいるそうだ。

眺めているだけでもたのしい

あんこがはみだしているもの、羽根つきのもの、キレイに焼けているもの、ふんわり感あふれるもの―この本には様々なたい焼きが載っている。

どれも本当においしそうで、眺めているだけでもたのしい1冊だ。

それにしても、驚くほどにクオリティーが高い1冊である。これは良書ですぞ。

ぺヤングを使った160のレシピがここに「ぺヤング本」

今日は素晴らしき1冊「ぺヤング本」を紹介しよう。

ペヤング本 やきそばアレンジレシピ本  ありそうでなかった! 一冊丸ごとペヤングレシピ! (G-MOOK)

「ぺヤングやきそば」を使った料理が存分にたのしめるレシピ本である。

ちょいのせでできる簡単料理から、かなり凝った料理まで載っているすさまじい1冊だ。

ちょいのせレシピ

まずページを開くと、ぺヤングやきそばに乗せるだけでできる「ちょいのせレシピ」が紹介されている。

ウインナー、ツナマヨスクランブルエッグ、粉チーズなど普通においしそうなもののほか、アイス、柿ピー、みたらし団子、プリンなど、非常に振り幅の広いラインナップになっている。

サバの味噌煮や玉露を乗せて食べるという、なんともエキスパートなレシピも紹介されている。「ごはんをちょいのせ」なんてのも載っていて、懐の深い項目である。

 

アレンジレシピ

 続いて載っているのは「アレンジレシピ」である。ぺヤングやきそばを使った料理が存分に紹介されている。

「ぺヤングボール」「松茸香るぺヤング」「カツカレーぺヤング」「ビーフシチューつけぺヤング」「ぺヤングアラモード」など、なんとも感動的なレシピが並んでいる。

どのメニューも、手軽に作れるように考えられているのも素晴らしいところだ。

たとえば「カツカレーぺヤング」は、ぺヤングやきそばにレトルトのカレーをかけてカツをのせるだけで完成する。

材料をみても「ぺヤング1個 レトルトカレー1袋 カツひとつ」と非常に簡潔。インスタントなDNAが美しく行き渡った1冊である。

ぺヤングソースレシピ

ペヤング ソースやきそば 120g×18個

ラストにあるのは「ぺヤングソースレシピ」。ぺヤングやきそばに入っている「ソース」を使った料理が載っている。

こちらはさほど数が載っているわけではないが、「ぺヤングのソースでつくる煮たまご」など、面白そうなメニューがそろっている。

まとめ

項目だけみるとネタ本のような印象があるが、どのメニューも本気で書かれている。決しておふざけで作られた1冊ではない。

実際に食べるかどうかは別として、芯のある素晴らしい1冊だ。興味のある人はぜひ読んでほしい。

ペヤング ソースやきそば 120g×18個

ペヤング ソースやきそば 120g×18個

 

 

 

「キャビン・フィーバー(2016)」にみるリメイクの難しさ

今回は「キャビン・フィーバー(2016)」を紹介しよう。

キャビン・フィーバー [DVD]

イーライ・ロスの奇作「キャビン・フィーバー(2002)」のリメイク作品である。

キャビン・フィーバー リブート

キャビン・フィーバーは、謎の伝染病をテーマにしたホラー映画だ。まずは予告編をみてみよう。非常に強烈な作品である。


Cabin Fever Official Trailer 1 (2016) - Eli Roth, Matthew Daddario Movie HD

2002年のオリジナル版はイーライ・ロスの長編デビュー作。今作は自身が製作総指揮となり、オリジナル版を完全リブートした作品だ。

監督はトラヴィス・ザルーニーだが、全編にイーライ・ロス節が見事に効いた作品になっている。

単作としてはアリだが・・・

さて、この映画、単作としては十分にアリだが、オリジナルを知っている人にとっては残念な作品ではないだろうか。

確かに、オリジナルよりも作りこみが細かくなり、全体のクオリティーは上がっている。

だが、それによって初代が持っていた「うさんくささ」や「意味不明さ」がなくなってしまったように思う。

リメイクの難しさ

どの映画にも言えることだが、リメイクがオリジナルを越えるのはなかなか難しい。その理由は様々だと思うが、キャビン・フィーバーに関しては「作りこみすぎた」ことが原因だろう。

感性でつくられたオリジナルを、理詰めできっちりと料理してしまった。初代で最もおいしかった感性という味を失ってしまったというのが、大きなところだろう。

個人的に残念だったのは、パンケーキ少年のシーン。この迷場面が、リメイクではどうなるのかかなり期待していた。


Pancakes!!!!! - Cabin Fever

これだけ見るとさっぱり意味が分からないと思うが、本編をみてもさっぱり意味がわからないという、伝説のシーンである。

結論から言うと、リブートではごく普通のシーンになってしまった。意味不明さが見事に消えてしまったのだ。

「きちんと仕上げる」という意味では正しい作業だと思うが、こうした意味不明さが発するパワーが全編に漂っていたオリジナル版の魅力はすっかり失われてしまった印象だ。

これからみる人にはだんぜんオリジナル版がオススメだ。

キャビン・フィーバー (字幕版)

 

家族愛と命をテーマにしたホラー映画「ペット・セメタリー」

今日は「ペット・セメタリー」を紹介しよう。

ペット・セメタリー (字幕版)

スティーブン・キング原作のホラー映画である。

ペット・セメタリー

まずは、予告編を紹介しよう。吹替え版と海外版の違いが面白いので両方紹介しよう。

まずは吹替え版だ。


ペット・セメタリー - 予告編

一瞬、不穏な空気になるものの、全体をみれば古きよきホームドラマ的な予告編である。

続いて海外版のトレーラーをみてみよう。


Pet Sematary (1989) Movie Trailer

こちらは吹替え版とは一転、まさにホラーといった体である。

さて、どっちが「この映画らしい」かといえば、実はどちらも「この映画らしい」のが、本作の面白いところだ。

ペット・セメタリーはただのホラーではなく、家族愛と命をテーマにしたホラー映画なのである。

非常に面白い作品

「Oricon」データベースから本作の紹介をピックアップしてみよう

アメリカ・メイン州を舞台に、死者を蘇らせるといわれる墓場“ペット・セメタリー”で起こる惨劇を描く、スティーヴン・キング原作のホラー小説を映画化!小さな街ルドローに引っ越してきたルイス一家。数日後、ペットの猫が轢死。近くにあるペット・セメタリーに埋めると、翌日猫は生き返った。日を置かずして息子ゲイジがトラックにはねられ死亡する。こっそり遺体を例の場所に埋葬するが…。

原作は、スティーブン・キングの「ペット・セマタリー」である。

ペット・セマタリー〈上〉 (文春文庫)

ペット・セマタリー〈下〉 (文春文庫)

スティーブン・キングの小説は、現実と非現実の世界がシームレスにつながっていく場面が多くある。これが「キングの作品は映像化が難しい」と言われる点でもある。

だが、この映画「ペット・セメタリー」は、そのシームレスな世界を見事に再現したといえるだろう。

キングの描く「現実」と「少し不思議な世界」が実に自然な流れで―まさにシームレスにつながっている。

演技はややベタ、映像に古さを感じる部分も多々あるが、それを差し引いても、良作といっていいだろう。

ただのホラーに終わらず、命について、家族について考えさせられる作品だ。

 

ペット・セマタリー〈上〉 (文春文庫)

ペット・セマタリー〈上〉 (文春文庫)

 
ペット・セマタリー〈下〉 (文春文庫)

ペット・セマタリー〈下〉 (文春文庫)

 

 

蚊がいなくなるスプレー

蚊が出る季節になってきた。この時期、ワタクシはいつもこれを使っている。

蚊がいなくなるスプレー 蚊取り 12時間持続 200日分 無香料 (防除用医薬部外品)

「蚊がいなくなるスプレー」である。これを使い始めてから、蚊に悩まされることが全くなくなった。

それまでワタクシの部屋は呪われているのかというぐらいに、蚊がよく出てきていた。蚊取り線香や虫よけボトルを使ってもなかなか効かず、夏どころか冬になっても蚊に悩まされていた。

が、このスプレーを使い始めたところ、そんな悩みも吹っ飛んでしまった。あれほど悩まされた蚊が見事にいなくなったのである。

アース製薬 おすだけノーマット スプレータイプ200日分 41.7mL

アース製薬の「おすだけノーマットスプレー」もかなりいい感じだ。

蚊が出る前に1吹きしておけば、蚊がこなくなるし、蚊が出てから1吹きしてもいい。

蚊がいなくなるスプレー 蚊取り 12時間持続 200日分 ローズの香り (防除用医薬部外品)

バラの香りのものもある(笑)。

 

 

残念ながらハズレ・・・薬丸岳「友罪」

今回は、薬丸岳「友罪」について書いてみよう。

友罪 (集英社文庫)

薬丸岳氏の少年犯罪モノである。

友罪

まずは「BOOK」データベースによる本書の紹介からはじめよう。

あなたは“その過去”を知っても友達でいられますか?埼玉の小さな町工場に就職した益田は、同日に入社した鈴木と出会う。無口で陰のある鈴木だったが、同い年の二人は次第に打ち解けてゆく。しかし、あるとき益田は、鈴木が十四年前、連続児童殺傷で日本中を震え上がらせた「黒蛇神事件」の犯人ではないかと疑惑を抱くようになり―。少年犯罪のその後を描いた、著者渾身の長編小説。

ここまで読んでいただいた方はお分かりだろう。現実にあった「あの事件」をモチーフにしている。

これまで多くの小説家がモチーフにしてきた事件だが、先に言っておこう、この事件を取り上げた小説で当たりと呼べるものは1つもなかったように思う。

薬丸岳氏ならどう料理する―そんな思いで手にとってみた1冊である。

残念ながらハズレ

結果から先に言うと、残念ながら「ハズレ」だった。それなりに読ませる部分もあるが、この事件でなくとも成り立ったのではないか・・・そう思えて仕方がない。

また、薬丸岳氏の「悪い部分」が全部出てしまったかのような作品でもある。

先日のブログで「氏の少年犯罪モノにハズレなし」と書いたが、なんという失態・・・である。

詰め込みすぎな設定

この作品、主要人物の全員に暗い過去がある。小説の1つのパターンではあるが、氏の作品は、登場人物が少ないほうが圧倒的に出来がいい。もっと言えば、焦点となるべき点が少なければ少ないほどいい。

だが、この作品は、主要人物全員に暗い過去を持たせてしまったせいで、話が散漫になり、非常にまとまりが悪くなってしまっている。

鈴木と益田の物語だけでよかったのではないだろうか―そう思えてならない。

人物の思考回路がわからない

この作品、登場人物の思考回路も意味不明だ。心の動きがなく、行動に出てしまう場面が多く「なぜそうなった」と思わされる部分が多い。

特に益田だろう。「なぜその行動につながった?」という場面がやたらと目立つ。「普通はそんなことしないだろう」という行動も多く、物語をすすめるための「駒」であることがみえてしまう。

薬丸岳氏の小説は、「都合よく人が出すぎ」「登場人物が、ささいなことをやたらと覚えている」という傾向があるが、この作品はそれが出すぎてしまっているように思う。

トーリーを進めさせるためとはいえ、「駒」であることが見えすぎるは、ちょっと勘弁・・・という感じである。

友罪 (集英社文庫)

友罪 (集英社文庫)

 

 

薬丸岳「神の子」

今回は、薬丸岳「神の子」について書いてみよう。

神の子(上) (光文社文庫)

以前、このブログで薬丸岳の小説を取り上げた時、こんなことを書いた。

薬丸岳氏の小説は、登場人物の数が少ないもののほうが圧倒的に出来がいい」

この作品は、まさにその逆である。

何か起こさなきゃ

薬丸岳氏の小説を読んでいて感じるのは、「何か起こさなきゃ」としすぎではないだろうかということである。

よく計算し、読者を飽きさせないように・・・というのは分かるのだが、どうにも「あせりすぎている」ように見えてしまうことがある。

この作品に関しても、読者の多くが求めているのは「主人公・町田博史の物語」だったのではないだろうか。

だが、途中からどんどんと登場人物が増えていき、それぞれに事件が起こり、「主人公・町田博史の物語」から離れていってしまう。

結局、何にスポットをあてた物語なのかわからなくなってしまった―そんな作品になってしまったように思う。

持ち味

神の子(下) (光文社文庫)

この作品は連載モノだったというのもあるだろう。読者に飽きさせないために、あるいは読者の反応によって、変えた部分もあるのだろう。

だが、それによって「その場その場で興味をひく」ことに終始した物語になってしまったように思う。結果、人の内面よりも行動を書くことがメインになり、ただの駒のような印象になる

またドラマチックなことを起こそうとして、漫画みたいな展開になってしまっているところも多い。

薬丸岳氏は、せまい世界でじっくりと人間を描いた作品のほうが持ち味が出る、そう思えてならない。

人物の名前

薬丸岳氏の小説には様々な人物が出てくるが、名前のネタ元を拾ってみるのも面白い。プロ野球、プロレス、漫画など、いろいろなところから名前のヒントを得ている印象だ。

 

神の子(上) (光文社文庫)

神の子(上) (光文社文庫)

 
神の子(下) (光文社文庫)

神の子(下) (光文社文庫)

 

 

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