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カメラとへんてこなものを愛するフリーランス。カメラ、映画、へんてこなどのネタをつぶやきます。

アガサ・クリスティー「メソポタミヤの殺人」

アガサ・クリスティーの「メソポタミヤの殺人」を読んだ。

メソポタミヤの殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

ポアロものである。やや狙いすぎてしまった感はあるが、実に面白い作品だった。

メソポタミヤの殺人

メソポタミヤの殺人は1936年の作品で、遺跡の発掘現場を舞台にした作品である。「BOOK」データベースより紹介文を引用してみよう。

考古学者と再婚したルイーズの元に、死んだはずの先夫から脅迫状が舞いこんだ。さらにルイーズは寝室で奇怪な人物を目撃したと証言する。が、それらは不可思議な殺人事件への序曲にすぎなかった…。過去から襲いくる悪夢の正体をポアロは暴くことができるのか?中近東を舞台にしたクリスティー作品の最高傑作。

物語は、看護士のレザランの「手記」によって展開されていく。ポアロものであるが、中盤までポアロが出てこないのもユニークなところだ。

ちなみにこの作品、「作品は癖になる」という邦題でも出版されている。

殺人は癖になる (創元推理文庫 105-32)

殺人は癖になる (1978年) (創元推理文庫)

原題が「Murder in Mesopotamia」なのに、「殺人は癖になる」というタイトルはどうなんだ?という気にもなるが、作品を読んでみると「なるほど」と思わされるタイトルだ。

・・・が、ワタクシ的には全くいただけない邦題である。「そのキーワードをタイトルで出すか、ふつう」と思ってしまう。

いろいろな表紙

「メソポタミヤの殺人」も表紙にいろいろなバージョンがある。

メソポタミヤの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-5))

 

メソポタミヤの殺人 (クリスティー・ジュニア・ミステリ 3)

 

メソポタミヤの殺人 (1957年) (世界探偵小説全集)

時代を感じさせるものなど様々だが、実はこの作品、「メソポタミヤ」というのはさして重要ではない。

先日紹介した「ゴルフ場の殺人」と同じで、人間ドラマがメインの作品であって、「場所」はたいして関係がない。

なので、「メソポタミヤ」や「遺跡の発掘現場」というフレーズに興味を持った人には、やや肩透かしの感があるかもしれない。

全体としては「ひねりすぎている」と感じさせる部分はあるが、読みごたえのある作品だ。

ちなみにこの作品のトリックは、ワタクシのツボにかなりはまった。「推理クイズ」の本を読んでいるかのような「面白みのあるトリック」だった。すばらしい!

 

メソポタミヤの殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

メソポタミヤの殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 

 

 

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