本を選ぶ、ということ
ワタクシは本を読むのが大好きだが、「○○賞」受賞とかそういうのは心底どうでもいいと思っている。
特に昨今は、露骨に話題性を意識したようなチョイスや、「そこそこ売れていて、まだ受賞していない人」をセレクトしているように感じられることもある。
まあ、今も昔も仕組み自体はさほど変わらないのだろうが、タネがあまりに見えすぎるとげんなりしてしまうのは、どのジャンルにも共通することだろう。
受賞前のほうがいい
ワタクシは、本を選ぶときはできるだけ前情報を入れないようにしている。自分で面白そうと思ったものを読みたいからだ。そうして本を選んでいると、感じることがある。
それは、その作家が「世間一般に認められる前」の作品のほうが、熱があって面白いものが多いということである。
プッシュしたい側もそれなりにアンテナを張っているのだろうが、ピークが過ぎてから急に取り上げられはじめる―なんてことも少なくないように思う。
話題にならなければ読まないのか?
それにしても、である。
図書館に行くと予約ランキングなんてものがあったりするが、上位をしめている本は、メディアでプッシュされているものばかり。
その傾向は以前からあったが、このところはそれがやたら極端に感じる。
こんな状況をみれば、そりゃあ本の売り方も変わるわな、と思ってしまう。
昨今の状況を見ていると、「地味だけど、堅実に書かれた本」の売り上げがずいぶん下がっているように感じることがある。
もしかしたら、今のネットと同じで、「深く探すこと」や「自分で選ぶ」ということを全体がしなくなってきているかもしれない。
その昔は、情報が増えればそれだけ選択肢がふえる―といわれたものだが、かえって選択しなくなった・・・それが答えであれば、大変に寂しいものである。