目撃者それぞれの視点で物語がすすむ映画「バンテージ・ポイント」
今回は、複数の視点で物語がすすむ「バンテージ・ポイント」を紹介しよう。
国際テロ対策の首脳会議が開催される会場で、大統領が狙撃される―その現場にいた人たち、それぞれの視点で物語がすすむ映画だ。
一体誰が、何のために―その謎の答えは、それぞれの視点の中にあった。非常にハラハラドキドキできる作品だ。
作品の前半では、大統領が狙撃されるまでの時間を、視点を変えながら描いていく。
1人の視点が終わると、映像が巻き戻されて別の人の視点になるという、面白いギミックが使われている。
そして、中盤~後半にかけて時間軸が動き出すと、物語が一気に加速する。謎が解けてくるのと、スピード感があいまって、目の離せない展開になってくる。非常に秀逸な作品だ。
味のある登場人物
この映画、どの人物にも非常に味がある。中でも、気のいい中年男性を演じるフォレスト・ウィテカーは、抜群の存在感だ。
見ているだけで、こっちまで幸せになりそうなぐらいに、人のいいキャラを演じている。
この作品をみたあとにぜひみてほしいのがケープ・タウンだ。
これが同じ人なのかと思うぐらいに、まったく方向性の違う役を演じている。興味のある人は、この振り幅の凄まじさをぜひ確認して欲しい。涙が出るほど凄まじい。