talkingdoll

カメラとへんてこなものを愛するフリーランス。カメラ、映画、へんてこなどのネタをつぶやきます。

サスペリアよりも前に作られたのにPART2「サスペリアPART2」

今回は「サスペリアPART2」の話をしよう。

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大変に気持ちの悪いジャケットだが、それもそのはず、「サスペリアPART2」はあのダリオ・アルジェント監督の作品だ。

サスペリアよりも前に作られたのにPART2

サスペリアPART2のステキなところは、これがサスペリアの続編でも何でもないどころか、サスペリアより前に撮られた、まったく関係のない作品ということである。

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ジャケットだけ見ればサスペリアの続編っぽく見えるが、PART2のほうは原題が「PROFONDO ROSSO」でホラーというより、サスペンスである。

こうなった原因はサスペリアがヒットしたためで、「よっしゃ、サスペリアPART2ってつければ売れるぜ!」という非常にザルな理由である。こうしたDNAは、今の邦題にも完璧に受け継がれている。向いている方向が間違っていても、伝統だから大事にしようネ!である。

なのに、PART2っぽい

サスペリアPART2の面白いところは、「サスペリアPART2」と思って見ても違和感のないところである。動画をみてもらおう。


Profondo rosso (Trailer originale)

そう、大変に気味が悪いし、怖がらせ方の趣味が悪い。「これマジでやばいかも」という狂気が漂っている。そう、これこそがダリオ・アルジェント監督の魅力だ。

ただ気持ちが悪いだけでなく、ストーリーも芯がある。ある謎を解いていくのだが、これが大変に面白い。ちょっとしたコメディっぽいところもあり、緩急も効いており、サスペリアよりもこちらの方が好きというファンも少なくない作品だ。

リアリティ

時代的なこともあると思うが、今ほどカメラアングルやカメラワークが確立されていない分、逆にリアリティを感じさせる部分が多々ある。

たとえば、アップの使い方だ。サスペリアPART2では、昨今の映画のように「表情をアップで見せる」「モノをアップでみせる」といったシーンが非常に少ない。

引きのショットが多めで、ここぞというところでアップがくるのだが、これが凄まじくインパクトがあるのだ。それまでの展開や引きのショットが見事でなければ難しい芸当である。

この作品をみると、カメラが寄らなくても、これだけの緊張感と不気味さを出せるのだなあと思ってしまう。主人公自体、あまり表情がないのだが、それでも感情が伝わってくる空気作りはさすがである。

ちなみに、先日も記事で書いたが、「バットマンVSスーパーマン」はとにかく表情頼りの感情表現で、ワタクシ的には非常に厳しい出来だった。

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 まとめ

そうそう、ダリオ・アルジェント監督の作品は音楽もヤバイ。「どうにかなりそうな音楽」を入れることにかけては、世界でも指折りではないだろうか。ずーっとイヤな音楽が頭に残る・・・が、それでいて妙にクセになるのだ。
ワタクシが好きな「オペラ座 血の喝采」にも通じるカメラワークにも注目だ。

 

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