talkingdoll

カメラとへんてこなものを愛するフリーランス。カメラ、映画、へんてこなどのネタをつぶやきます。

「無料ならいいけれど、買うまでもないかな」という褒め言葉

デビュー時からひそかに応援していた作家が、いくつかの本を無料化していた。それを知ったとき、ワタクシは「どうだろうなあ」と思った。

無料

ワタクシは「まずは無料」とか「無料で人を集める」といった方法は、いかがなものかと思うタイプの人間だ。

無料で集めて、その分もどってくる、あるいはそれ以上の見返りが期待できる「策」があればいいと思うが、「無料で多くの人に手にとってもらって、あわよくば・・・」という「願望」であれば、なかなか厳しいのではないかと思う。

無料ならいいけれど、買うまでもないかな

ワタクシもそうなのだが、無料である程度のものが提供されると、よくも悪くも「それが基準」になってしまうところがある。

さらには、そこそこ面白い本でも「無料ならいいけれど、買うまでもないかな」なんてことも思ったりする。

読んで楽しんだくせに、面白がったくせに、そんなことを思うのである。

「無料なら、まっさきに読みたい作家」なんて、ワケのわからない考えもあったりする。

有料だったものを無料化する作家であれば、新刊が出ても「無料になるまで待とう」なんてことも思ったりする。

「どうしても今すぐ読みたい」でなければ、待てばいいじゃんというわけだ。

対価あってこそ

「本は買うもの」と考え、これまでに凄まじい数の本を買い続けてきたワタクシですらそう思うのだ。

無料にして効果のある作家もいるだろうが、無料にしたからといって誰もがプラスになるわけではない―そんな気がしてならない。

それにしても時代は変わったものだ。

少し前までなら、「定価で買う価値はないけれど、~円までなら」なんていわれたものだけれど、今は、褒め言葉でも「無料ならいいけれど、買うまでもないかな」なんて言われたりする。

消費者にとってはいい時代かもしれないけれど、文化的にはとてもさびしい気がするよ。

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