塩田武士「罪の声」 その3
塩田武士「罪の声」話その3である。
「売りたい本」大賞
ワタクシは「本屋大賞」を参考に本を選んだことはないが、ずいぶんと面白みのないものになってしまったなあと思うことがある。
まあ、俗に言う「権威付け」の一種であるのだが、それでも初期の頃はまだ「掘り出しもの的な感覚」があったように思う。
「この賞ならでは」という(気にさせる)ラインナップをみせてくれたような記憶がある。
今、この事件を取り上げる意味
今回、ワタクシはこの本に関して、厳しいことばかり書いている。期待はしていたのだ、だが、どう考えてもわからないことがある。
「今、この事件を取り上げるのに、この程度の内容(推理)でいいのか?」ということである。
グリコ森永事件といえば、昭和の未解決事件である。今までにさんざん議論されて、各方面で様々な検証がされてきた事件である。
事件発生当初ならまだしも、今この時代にこの事件を取り上げるのであれば、そのハードルは無視してはならないとワタクシは思うのだ。
覚悟
ワタクシは、氏のファンの方には申し訳ないが、正直、「この程度の覚悟で書くのなら、グリコ森永事件をネタにしないでほしかった」と思った。
同時に、「グリコ森永事件をテーマにした意味はなんだったのだろう」とも思った。