過程をどう見せるか エスター話のつづき
昨日のエスター話のつづきである。
ワタクシは、何かが起こる前の「過程の描き方がうまい」作品が大好きである。
この「過程」の部分がしっかりしていると、そのあと起こることに、よりインパクトが出る。
モーテル
先日紹介した「モーテル」は、この演出が抜群だった。
この映画、あとから振り返ってみると、実は最後までたいしたことが起こっていないのだが、かなり怖い。
「何かが起こるまでの過程」の見せ方が抜群なのだ。ほぼそれだけで成り立っている映画といってもいいかもしれない。
ストーリー的には王道なので、興味のある人は、ぜひその「過程」に注目してたのしんでほしい。「なぜ怖いのだろう」と考えながらみると、よりたのしめると思う。
エスター
さて、エスターである。全編に漂う「不気味な空気」、ワタクシはこれこそがこの作品の真骨頂だと思っている。これだけの雰囲気を醸し出せる作品はなかなかない。
ラストに関しては、賛否があると思う。ワタクシも初見では「これは・・・」と思ってしまったクチだ。
誤解のないように行っておくと、ラストも間違いなく面白い。だが、もう何歩か手前で終わらせてもよかったのかなあと思ったのだ。
ラストの難しさ
「ソウ」シリーズ「死霊館」などで有名なジェームズ・ワン監督がいる。
彼の作品は、ラストの見せ方が特長的だ。
パシャッ、パシャッ、パシャッ、それまでの伏線をフラッシュバックさせて、瞬時に話をまとめてしまう。そして、あとは観客の想像にまかせる。
非常にインパクトがある見せ方でワタクシも大好きな演出だが、この手法も何度かやると「またかよ」みたいに思われることがある。
引っ張るのか、余韻を残すのかは本当に難しいところだ。