ショーペンハウアー「読書について」
読書についての本を読むのが好きだ。ワタクシが最近読んでいるのはこれだ。
ショーペンハウアー「読書について」である。
読書について
ショーペンハウアー(ショーペンハウエル)と聞くと、「うわっ難しそう」というイメージを持つ人も多いだろう。
だが、そこは光文社古典新訳文庫である。非常に読みやすい訳でまとめられている。
作品によっては、翻訳がとんでもない地雷だったりするシリーズだが、うまくはまったものは本当に素晴らしい。
この「読書について」は、うまくはまったタイプだろう。とても読みやすい上に、抜群に面白い1冊だ。
読書の本質
この本を読んで驚くのは、時代が変わっても人はそうそう変わらないなあということだ。というか、ここに書かれている「本を取り巻く状況」は、今の日本のそれと同じっすよ!
当然、内容やレベルは違うだろうが、本質的なところはショーペンハウアーが指摘している通り、いや、それ以下の未来になってしまったなあという感じである。
日本は映画も絶望的だが、本も・・・はあ、もっとひどくなっていくんだろうなあ。
「なんつーか、もう終わってるよな。 しかも、相当深刻なレベルで」という感じである。
痛烈だけど痛快
「読書について」は、今の日本の本を取り巻く状況に「はあ・・・」と思っている人には痛快な1冊だ。そうそう、そういうことなんだ!ということが存分に書かれている。
本の読み方、本を読む側のことも書かれていて、これがまたいい話なんだ。痛烈なんだけど「読書ってそういうことなんだ」とわからせてくれる。
的確な言葉と豊富な語彙で、気持ちよくズバズバと言ってくれる、実にいい1冊だ。
光文社古典新訳文庫を読んだ後は、別の訳者の本もセットで読もう。光文社古典新訳文庫は、読みやすい分、原文からやや離れた訳になっている場合もあるからだ。入口と考えるといいように思う。