カラマーゾフの兄弟
カラマーゾフの兄弟、下巻に突入した。なんとも抜群の面白さだ。
カラマーゾフの兄弟
カラマーゾフの兄弟は、ワタクシが「いつか読んでみたい」とずっと思っていた本である。
一般には、読むにあたって、ちょっとした覚悟がいるように言われることも多い。途中で挫折する人も多いようだ。
名前の呼び方
最初は名前の呼び方で戸惑う人も多いのではないだろうか。
たとえばドミートリイをミーチャ、アレクセイをアリョーシャと呼ぶのだが、こうした呼び方が多くのキャラクターにある。
これがごちゃごちゃに出てくると、読んでいる側は「いったい何人いるんだ」「誰なんだ、この人」みたいなことになりやすい。
ワタクシは「罪と罰」を先に読んでいたので大丈夫だったが、最初は面食らうと思う。
幸い、登場人物はさほど多くないので、メモしておくと楽になると思う。
密度の濃さ
これはカラマーゾフの兄弟に限らないが、ドストエフスキーの作品は1ページの密度が濃い。
状況や心理描写、会話、ちょっとした仕草など「よくこんなに書けるなあ」というぐらいに書かれている。それがいちいち面白くて最高すぎるのだが、物語の展開は比較的スローである。
なので、昨今の日本の小説に多い「描写をすっ飛ばして展開だけ」的な、いわゆる台本のような小説に慣れていると、これまた面食らうように思う。
ここまでの印象
下巻の中盤近くまできて、さらに面白くなってきた。
ここまでの印象は、かなり読みやすい部類なのではということだ。個性的なキャラクターぞろいで本当に面白い。
たしかに一部すらすらと読めない部分はある。なんとなくだが、ゾシマ長老のくだり部分(特に中盤~後半あたり)が挫折しやすいポイントかと思った。物語の先が気になっている人ほど、詰まりやすいかもしれない。
この作品は、小説のスタイル的に、結論を急ぐというよりも、それぞれの人物の生き様みたいな感覚で読むと読みやすいように思う。
まとめ
書いているうちに「罪と罰」を再読したくなってきた。数年ぶりの再読だ。
カラマーゾフの兄弟も、きっとこうした作品になるだろう。こんなすばらしい作品を読めるのは、本当に幸せなことだ。