これは抜群の面白さ!「キラー・スナイパー」
「キラー・スナイパー」を見た。これは抜群に面白かった。
このジャケットにある通り、原題は「Killer Joe」だ。
あの「エクソシスト」や「フレンチコネクション」のウィリアム・フリードキン監督の
作品だ。
ありえない
「キラー・スナイパー」は70歳越えの監督が作ったとは思えないほどスタイリッシュで、バカバカしさとパワーにあふれた素晴らしい映画だ。
Killer Joe - Official Red Band Trailer
本編では初っ端でいきなり、義理の母が下半身丸出しで登場する。冒頭で出てくる人物はみんなクズっぽいが、これこそがこの映画のスタンスだ。バカバカしくもあり、生々しい。
あと、ムダにエロい。妹は寝ぼけて全裸でカンフーのポーズをとったり、カメラのアングルが実にフェチズム全開だったりと、70越えの監督が撮ったとは思えない世界である。それでいて、カメラワークや雰囲気作りは、エクソシストやフレンチコネクションっぽいのだ。傑作にならないはずがないという話である。
「スナイパー」のイメージは捨てよう
「キラー・スナイパー」を見る時は、「アメリカンスナイパー」とかスティーヴン・ハンターの小説に出てくるような「スナイパー」のイメージで見ないほうがいい。
スティーヴン・ハンターの小説は、抜群に面白いからオススメだ。ふだん海外モノを読まない人にもなじみやすい文体だ。
クズっぷりをたのしむ
「キラー・スナイパー」は、基本的にクズな人たちばかりが出てくる。こういった映画はそのクズっぷりをたのしむのが吉だ。道徳的に・・・と言い出してしまうと、この類の映画はたのしみが半減してしまう。現実の世界では道徳観は大切だが、創作をたのしむにあたっては、臨機応変に考えるのがよいと思う。
「キラー・スナイパー」はクズっぷりを容認できれば、かなり面白い作品だと思う。映画としてのつくりは、さすがのフリードキン監督なので安心して楽しめる作品だ。
ネジのはずれっぷりをたのしむといえばこれもオススメだ。
「オオカミは嘘をつく」だ。ネジのはずれっぷりが面白く、大変によく出来た映画だ。