この怖がり方がすごい!ホラー映画について考える。
ワタクシはホラー映画が好きなのだが、怖がる役がうまいかどうかは大きな問題である。
怖さをひきたてるのは、受ける側のうまさ
ホラー映画の場合、怖がる側(受ける側)がうまいと映画全体の怖さが倍増する。プロレスで言うなら、テリーファンクぐらいのオーバーリアクションでいい。技を凄くみせるのは受ける側の力量によるところが大きい。今回はそういった視点で3つの映画を見てみよう。
悪魔のいけにえ THE TEXAS CHAINSAW MASSACRE
受けの凄みといえば、ホラー映画ならワタクシはこれを挙げる。
「悪魔のいけにえ」、あのチェーンソーで有名なレザー・フェイスが出てくる作品だ。
この映画、レザー・フェイスのインパクトも凄いが、サリー役を演じるマリリン・バーンズの絶叫具合が本当に凄まじい。この映画の恐ろしさと狂気を体現しているのは、もしかしたらサリーなのではないかというぐらいに凄い。
人間、ここまで怖がれるのかというぐらいの怖がりっぷりだ。下手したら、レザー・フェイスの狂気を上回っている。
レザーフェイス 悪魔のいけにえ The Texas Chainsaw Massacre
悪魔のいけにえは、そのほかにも見どころが多い。名シーンも多く、名作であることは間違いないのでぜひ見てほしい。
ラスト・エクソシズム2
次はちょっとマイナーなところを挙げてみよう。
2とあるように「ラスト・エクソシズム」の続編だが、「受けの凄み」を語るのであればこちらのほうがいい。
予告編では分かりにくいが、この映画、ヒロインの怖がり方が実に素晴らしい。バリエーションも豊富で、あろうことか楳図かずお先生のホラー漫画の表情そっくりになることもある。あそこまでリアルに楳図かずお先生のホラー漫画の表情を体現している人をワタクシは見たことがない。
映画の評価自体はさほどではないが、その怖がり方を見るだけでもオススメの映画だ。
サイコ
受け手の凄まじさといえば、これを忘れてはいけないだろう。超名作のサイコである。
そう、ヒッチコックのサイコだ。ヒッチコック作品全般にいえるが、受け手が本当に巧みだ。雰囲気と空気で追い込んでくるので、心に凄まじくくる。おまけにバリエーションが豊富なので、見終わった後もずっと心に残るのだ。
ヒッチコックは「巨匠」というイメージがあって、難しそうと思う人もいるかもしれないが、実は非常にエンターテイメントな作品が多い。映画的には様々な技法を使っているが、見る人にとっては大変やさしく、どれもわかりやすい作品ばかりだ。「サイコ」を見て面白かった人は「鳥」もオススメだ。