ナイロビの蜂、シティ・オブ・ゴッド。フェルナンド・メイレレス監督の作品を見る。
「ナイロビの蜂」を見た。
かの名作「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレス監督の作品だ。パッケージを見ると、どうも愛がキーワードっぽいのだが、デザインは大変に泥臭く、題材もピンとこない感じだったので、つい後回しにしてしまっていた作品だ。
実際に見てみると、やはりこの監督の作品はいい。退廃的な空気感を撮らせたらこの監督の右に出る人はそういないのではないかというぐらいに、たまらない空気感がある。
また、時間経過の表現がすさまじい。時間の経過をカットのつなぎで表現するわけだが、この編集の仕方が抜群すぎるのだ。様々なカメラワーク、アングル、モチーフのものが非常にうまく組み合わされていて、感情と時間の流れが伝わってくるすさまじいテクニックだ。
ワタクシは、映画を見るたのしみはこういう部分にもあると思っている。
シティ・オブ・ゴッド
フェルナンド・メイレレス監督といえば、何をおいても「シティ・オブ・ゴッド」だろう。
これは間違いなく大傑作だ。だが、あまりの生々しさとインパクトに何度でも繰り返し見るのにはかなりの気力がいる映画でもある。予告編動画を貼るが、強烈なシーンがあるので、苦手な人は注意が必要だ。
映画 City of God Trailer (シティオブゴッド予告編)
アクト・オブ・キリング
生々しいといえば、これも凄かった。もう一度みるのはかなりつらい。
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1960年代のインドネシアで行われた大虐殺の実行者たち(本物)が主役というすさまじい作品だ。彼らが行ってきた殺人を再現させていきながらすすんでいくわけだが、正直、心にきつい楔を打ち込まれるような作品だ。人間とは何かと言うことを考えさせられる。
映画としては大変に価値があり、傑作だと思う。だが、後味は大変に悪い。心が弱っている時にはオススメできない作品だが、映画好きな人であれば見ておく価値は十分にあると思う。
しかし、こういう作品をみてしまうと、ホラー映画の「安心感のある怖さ」が実に尊く感じてしまう。