「ザ・トライブ」「マーシュランド」の話から、日本の作品づくりについてあれこれ
ワタクシは基本的に前情報を入れずに映画をみる。最近見た映画の中で大当たりだと思った作品を挙げてみよう。
ザ・トライブ
パッケージはアダム徳永モノのようでもあるが、これはすさまじい傑作だ。
全編手話という試みのほうにインパクトがいくだろうが、映画としても天才的だと思った。映像と音でつむぐのが映画だとすれば、この作品はいきつくところまでいったのではないかと思う。光と影、空気感と音ですべてをつむぐ。この画の美しさといったら。何もかもが圧倒的だった。
マーシュランド
こんな完成度の高い作品に出会えるのは本当にうれしいことだ。マーシュランドをみてつくづくそう思った。
前情報なしで映画を選ぶということは、パッケージが重要な判断要素になるわけだが、日本版のパッケージはかなりアテにならない。というのも、ホラー映画ファンならわかるだろうが、明らかに「だまそう」とか「こういうタイトルなら勘違いするやつが出るだろう」的なつくりをしているのが本当に多いのである。
以前、洋画の日本版ポスターがあまりに出来が悪すぎるというのがどこかで話題になったが、ポスターだけじゃない。全くもってあきれ果てるつくりである。
日本向けはこういうパッケージ作りが多い。
「全員集合、はい、決めポーズとってねー」みたいなデザインである。
こんな感じで、中央から外に広がる配置もよくみますなあ。
こういうのは、アニメやゲームだったら「らしくていい」と思う。だけど実写映画の場合、よほどこのデザインに意味がなければ、本当につまらないデザインになる(邦画が大好きなデザインだ)。
洋画のもとのデザインがとてもかっこいいものでも、日本は平気でこういうデザインに変更するんだよな。「とりあえずこのテンプレートにはめておけばOK」的な、どう見てもやっつけ仕事にしか見えないものも多い。話がそれてしまったが、つまりは、パッケージだけで判断するのも難しいという話である。
そんな中、パッケージからは当たりかはずれか読みづらかったマーシュランドだったが、結果は大当たりだった。上の動画は、日本版の予告編である。すぐにでかいテロップを出すという頭の悪い日本版の典型ともいえる予告編のつくりだが、映像の雰囲気だけでも感じてもらえばと思う。見るかどうか迷っている人はぜひ見てほしい。これは大当たりの作品だ。
まとめ
ザ・トライブの話からマーシュランド、なぜかゲームのパッケージまで出しての話になってしまったが、念のため言っておくと、紹介したゲームはどちらもワタクシが所有しているものだ。
それにしても、ワタクシのように海外のものを、できるだけそのままの雰囲気でたのしみたい層もいるのだから、日本で勝手に改変しないでほしい。最近は、洋画のエンドロールで流れる歌を邦楽に差し替えたりすることもあると聞く。こういうことを重ねていくと、本当に好きな人があきれてどんどんと離れていってしまうのではないだろうか。