そういうものがあれば、時間も労力も惜しみなく割くことができるだろう
昨日の続きである。
毎日更新をつづけるには、確固たる目的があるほうがいいという話を書いた。
それは「伝えたいこと」だっていい。そういうものがあれば、時間も労力も惜しみなく割くことができるだろう。
・・・と、こんなことを書いておいてなんだが、ちょっとだけワタクシのことを書いてみよう。
伝えたいこと
ワタクシはこのブログで映画のことをよく書いてきた。
作品としてのよさのほかに、映画に対する日本のスタンスや邦画の問題点などにも触れたことがあった。
が、作品のよさを書いている時はたのしいのだが、日本版の予告編のひどさや邦画の問題点について書いたあとは、いつもむなしくなるばかりだった。
ワタクシはテレビを見ないので、記事にする時にYoutubeで配信されている日本版の予告編(公式のもの)をみるのだが、あまりのひどさに「・・・」となることが多かった。
で、そういうことを書けば書くほど、日本版の予告編のひどさが見に染みてくるんだ。ほんとダメになっちゃったんだなあと。
春日太一氏の本に「なぜ時代劇は滅びるのか」という本がある。タイトル通りの内容の本だが、時代劇以外にも共通する部分がある。
こりゃあダメになるわ・・・ということがひしひしと伝わってくる1冊である。
声をあげるということ
日本の映画文化、ドラマ文化のレベルが落ちて行く姿をみるのは、大変につらいが、もう戻ることはないだろうなあと思っている。
これが、同じ思いを持つ仲間を集める目的なら、ブログでガンガン声をあげていけばいいと思う。
そう、これについても「目的があるかないか」なのである(笑)。
ワタクシの場合は、そういう仲間を集めたいとも思わないんだよな。
みんなで集まってぐちぐち言ったって、何にも変わらねえじゃんって思うし、1人で絶望したって、みんなで絶望したって同じじゃんって思ったりする(笑)。
スターリン体制下のソ連を舞台にしたミステリ「チャイルド44」
チャイルド44
実はこの作品、前々から興味があったのだが、読むのがずいぶんと遅くなってしまった。
というのも、もともとは映画版のほうを先に知り、映画を先に見るか原作を先に読むか迷っていたのである。
このブログでも何回か書いてきたが、ワタクシは何かの作品に触れるときはできるだけ前情報を入れないようにしている。
作品のレビューも、事前には見ないようにしている。
そんなわけで、映画版と原作がある場合はどちらを選ぶか非常に悩む。
これが邦画であれば、学芸会を見たい気分でない限り、原作を選べば間違いなしだが、洋画の場合は本当に難しい。すさまじい完成度の作品であることも少なくないからだ。
非常に読みやすい作品
あれこれと悩んだ末、原作を読んでみることにした。
- 作者: トム・ロブスミス,Tom Rob Smith,田口俊樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
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海外の小説は翻訳によってずいぶんと読みやすさが変わるが、チャイルド44は非常に読みやすい。
何よりも人物の名前や地名がわかりやすいのもいい。これらは何気に「海外小説を読むときの壁」でもあるので、このあたりがやさしいのは本当にありがたい。
似たような名前とか、頭に入りにくい地名とかを乱発されると、つらいものな。
スターリン体制下のソ連
ミステリではあるが、とにかくこの「スターリン体制化のソ連」の描写がすさまじく、驚愕する。
民衆の生活は「普通」というレベルにも達しておらず、ちょっとしたことでも目をつけられたら終わり。
どんな理不尽な理由でも民間人を逮捕することができ、拷問することができる。いったん疑いをかけられたら、真実がどこにあろうとも関係なし。
誰もが自分を守るために、監視の目を光らせている。いつ密告されるかも分からない。まったくもって恐ろしい時代なのである。
上巻ではそんな世界がこれでもかというぐらいに描かれている。
下巻に入ると、物語は派手に動き出す。さながらハードボイルドにギアチェンジしたかのような様相になる。
満足度の高い作品
読み終わってみると、なんと壮大な物語なのだろうと思わされる。これだけの要素を詰め込んで、よくぞここまでまとめられたなあと驚くばかりだ。
ミステリ的な要素はシンプルだが、読み物としては抜群の面白さ。エンタテイメントのありとあらゆる要素が詰め込まれている圧巻の作品だ。
興味のある方はぜひ読んでほしい。
DVDレンタルのお店がなくなってしまった
よく利用していたDVDレンタル店が閉店してしまった。
時代を考えれば、レンタル店としてはよくもったほうかもしれないが、それにしても残念である。
印象に残った作品
このレンタル店で借りた作品の中で、思い出に残っているものを紹介しよう。
ベルトラン・ブリエの「バルスーズ」。フランスを舞台にしたロードムービーだ。
ジャケットをみてわかるように、奔放ではちゃめちゃな映画だ。が、映像はことごとく味があって美しい。
好みはわかれると思うが、ワタクシの好きな映画の1つだ。
タルコフスキー「アンドレイ・ルブリョフ」。
作品全体に漂う空気感が素晴らしい作品だ。タルコフスキーの作品ではノスタルジアと並び、ワタクシの好きな作品だ。
ゴダールの「ウイークエンド」。
よく分からないけれど、目が離せない&なんかすごいんですけど・・・と思わせる作品。みおわったあとにいろいろと考察するのもたのしい。
これもよかった。「ペーパー・ムーン」。非常に完成度の高い映画だ。
物語自体も面白いが、演出や技法に注目してもたのしめる。
まとめ
パッケージのみを情報源に面白そうな作品を探す―当たりはずれはあるけれど、それも含めてたのしみだったのだなあと思う。
今の時代、あらたにDVDレンタル店がオープンするといったことは、まず考えられないだけに非常に残念だ。
素晴らしきクリエイター「ブルース・ティム」
ワタクシの好きなクリエイターに「ブルース・ティム」がいる。
初めてみた時に、そのタッチの美しさに一発でやられてしまった。ブルース・ティムはアメリカのアニメーターであり、アニメ監督であり、マンガ家でもある。
日本ではバットマンのハーレイ・クイン関連の書籍がいくつか出ている。
ハーレイ&アイビー
バットマンのキャラクター、ハーレイ・クインとアイビーにスポットをあてたコミックだ。
ディフォルメの効いた美しいタッチが本当に素晴らしく、何度見てもホレボレとしてしまう1冊である。
新品では入手が難しいと思うが、古本なら手に入る可能性がある。ちなみに今回のトップ画像に挙げた「マッドラブ」も以前は入手が難しかったが、2016年に完全版が出てずいぶんと入手しやすくなった。
Naughty And Nice
こちらはブルース・ティムのイラスト集だ。洋書である。ど~ですか、この絶妙なタッチ!
手にしたときは、あまりの素晴らしさに失神しそうになりましたよ。ワタクシの宝物でもある。
ハーレイ・クイン
今は様々なクリエイターによる「ハーレイ・クイン」が出ているが、ワタクシにとってはブルース・ティムのハーレイ・クインがいちばんである。生き生きとしていて本当に素晴らしい。
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これは面白い!謎の巨大生物VSサバイバリスト「トレマーズ ブラッドライン」
今日は「トレマーズ ブラッドライン」を紹介しよう。
謎の巨大生物とサバイバリストの闘いを描いた素晴らしき映画である。
トレマーズ ブラッドライン
「トレマーズ ブラッドライン」は、シリーズの5作目にあたる作品だ。
第一作が1990年に公開され、今回紹介するブラッドラインは2015年の作品になる。原題には「Tremors 5: Bloodlines」とナンバーが入っている。
シリーズでは一貫して、謎の巨大生物VS人間がテーマになっている。
今作の主人公は「バート・ガンマー」。
本人曰く「人はこう呼ぶ――銃マニア、怪物ハンター、世界滅亡に備える男……だが違う、私はサバイバリストだ」という男である。
今回はアフリカを舞台に、独自の進化をした巨大生物「アスブラスター」と「グラボイズ」と戦って行く。
アスブラスターは尻から火を吹いて空を飛ぶ
Tremors 5: Bloodlines - Creature Animation, Ass Blaster African
「アスブラスター」は、尻から火を吹いて飛ぶ怪物だ。人間よりかなり大きく、非常に凶暴だが、尻をふさがれると空を飛べなくなる。
名前の響きはとてもかっこいいが、「アス・ブラスター」、つまり「尻 火炎放射器」という意味である。
そしてボスは、グラボイズ。地下に棲む巨大人喰い生物だ。硬い殻にヘビのような3本の触手を持ち、地中を掘り進んで獲物を狙う。アスブラスターも強烈だが、こちらはさらに強烈だ。
最悪の連鎖
アスブラスターとグラボイズの関係も非常に面白い。
まずグラボイズが3匹のシュリーカーという生物を産み、それが脱皮するとアスブラスターになる。
そしてアスブラスターの卵からグラボイズが生まれるという、わかったようなわからないような絶妙の設定がなされている。作中では「最悪の連鎖」と呼ばれている。
まとめ
多少のチープさはあるものの、素晴らしいパニック映画だ。
序盤はB級っぽさ全開だが、ここで投げ出さずにぜひ観続けてほしい。これらもこの作品の1つのキーであり、ラストまで観ると非常に考えて作られていることがわかる。
過去作を観ていなくてもたのしめる内容だ。興味のある人はぜひ観てほしい。オススメの作品だ。
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「劇場版 planetarian~星の人~」を観た
「planetarian~星の人~」を観た。「planetarian~ちいさなほしのゆめ~」も素晴らしかったが、これも最高だった!
planetarian~星の人~
先日書いた「planetarian~ちいさなほしのゆめ~」はWEB配信アニメだったが、「planetarian~星の人~」は劇場版のplanetarianだ。
物語的には「planetarian~ちいさなほしのゆめ~」の続編にあたる位置づけだ。
もちろん「星の人」単体でもたのしめるが、「ちいさなほしのゆめ」を先にみておいたほうがより理解が深まる。何よりも感動が段違いだ。
構成的には「planetarian~ちいさなほしのゆめ~」の総集編+αといったつくりだが、+αの意味が実に大きい。この+αのためだけでも、十分に観る価値がある。
正直、ワタクシも見る前は不安があった。WEBアニメ版が素晴らしかっただけに、蛇足的な物語にならないだろうか――そんなことを思っていた。
が、初っ端から一発で持っていかれてしまった。これはすごい。実に美しく、涙なくして見られない物語だった。
映画としてのまとまりも実に見事な作品だった。興味のある人はぜひ観てほしい。おすすめの作品だ。
ドールと猿飛佐助のこと
ワタクシは時々、中古ショップに足を運ぶ。「撮影に使えそうなモノがあるかなあ」と思って行くのだが、このところはハズレばかりだ。
どうでもいい話だが、このお店には1年以上、売れていないドールがある。
それはこれである。
「ビョル」というドールの猿飛佐助バージョンである。ウインドーの中にあるので、あくまで見た感じでの印象だが、ほぼ新古品という感じ。
これが4,000円台で売っているのだが、1年以上、ずっと売れずに残っている。
おそらく「癖の強さ」だろう。「ビョル」というドール自体、もともと癖がある顔立ちだ。
ビョルは、髪型とファッションによってずいぶんと印象が変わる。こういうデザインだとずいぶんとかわいらしい印象になる。
バージョンによって、顔つきやメイク、肌の色に多少のアレンジが入るが基本ラインは同じだ。
タイガーリリー。やや顔立ちの癖が目立つ印象だ。
これはかなりミステリアスだ。ある意味、「不思議系」の顔立ちが存分に生かされたデザインといえるかもしれない。
さて、ここまで見ていただいた方はお分かりだと思うが、ビョルは「女の子」である。
そこで再び猿飛佐助バージョンをみてみよう。
確かに「女の子」といわれればそう見えるが、知らない人からみたら「よくわからない顔立ち」である。
ちなみに、この猿飛佐助は「戦国BASARA」というゲームとコラボレーションしたもの。ゲームを知らない人がみれば「どこが猿飛佐助なんだよ!」と思うかもしれない。
・・・と、書いていて思ったが、そもそも「猿飛佐助」自体、イメージがあいまいだ。
猿飛佐助をいくつかあげてみよう。
こうしてみると「これが猿飛佐助だ!」という部分が意外とないことに気づく。
ちなみにワタクシのお気に入りはいちばん最初に挙げたこれだ。
なんともいいキャラクターではないか。