野村克也「野村の遺言」
「野村の遺言」を読んだ。野村克也氏の本である。
野村の遺言
タイトルを見た時は「ノムさんに何かあったのか?」と思ってしまったが、そんなことはちっともなく、中身はいつものノムさん本である。
野村克也氏が、今のプロ野球に言いたいことを書いた本だ。面白いですよ、これ。
プロ野球
ワタクシは以前はプロ野球をよく見ていた(というより熱狂的なファンだった)が、最近はまったく見なくなってしまった。
ファンの方には申し訳ないが、ぶっちゃけた話、ムダに長いと感じるようになってしまったのだ。
プロ野球の後に高校野球のテンポを見ると驚く。テンポが速いからといって、そこに間や駆け引きがないわけではない。
プロ野球の「間」ってなんなんだろうと思っていた。
今のプロ野球は間を生かしていない
そこでノムさん本である。
「野村の遺言」では、「今のプロ野球は間をまったく活かしていない」からはじまり、一球ごとに生じる間(ま)の重要性をこれでもかというぐらいに説いている。
ノムさんがいつも言っていること(本で書いていること)でもあるが、ワタクシはあらためて、そうだ、これなんだよなあと思った。
間がただの時間になってしまっているんだ、たぶん。だから、面白いと感じなくなったんだろう。
間のこと
間というのは難しい。
たとえば、好きな選手やかっこいい選手がいれば、みているだけでもたのしいだろう。だからすぐに投げたり打ったりしなくても、見る側にとっての間はそれで埋まっている。
だが、そうでない選手の場合は、何かがないと見る側にとっては間が持たない。ファン側の勝手な理屈ではあるが、ワタクシはこれってかなり大きいと思うのだ。
その間に何を見たいのか。ワタクシは意地や執念、一生懸命さ・・・それらが見えれば、その選手をもっと見たい、応援したいと思う。
だが、何も伝わってこない場面がずーっと続くと「どうなんだ、これ」と思ってしまう。
次回につづく。
キャンパスノートのA6サイズ
最近のワタクシのお気に入りは、キャンパスノートのA6サイズである。
105×148mmというコンパクトさが気に入っている。
使い方
いつも机の上において、Todoリスト兼メモ帳として使っている。
見開き2ページを1日分として、左にその日のTodoを書き、右はフリー欄としている。
Todoリストにはチェック欄をつくり、できたらチェックを入れる。その日にできなかったことは別の日のTodoリストに入れる。
で、クリアしたら新しく書いたほうと古いほうの両方にチェックを入れる。
つまり、ノートが終わる頃に、すべてのチェック欄にチェックが入っていればやりたいことがすべてクリアできたということだ。
1日2ページが自由に使える
このスタイルであれば、1日2ページを自由に使えるわけである。フリー欄はメモでも日記でもアイデアでもなんでも書ける。
また、手帳ではなく、ごくありふれたノートなので気楽に使えるのもいい。「キレイに書かなきゃ」って意識もナシでいけるので、非常に使い勝手がいい。
これでもニヤニヤできる
手帳の場合、見直してニヤニヤするというたのしみがあるが、キャンパスノートでも十分にできる。
こういうのはガワの問題じゃなくて、自分が何を考えて、何をしてきたかの記録だからね。
ドット罫のものを使っている
基本的に開きっぱなしなので、ワタクシの場合は、表紙のデザインはあまり気にしていない。
だが、書きやすいかどうかは大きなポイントだ。いろいろ使ってみたところ、ワタクシの場合は、ドット罫のB罫がいちばんしっくり来た。
行間、余白部分がちょうどいい感じで気に入っている。
読みやすさのために捨てたものは、本当にいらないものなのだろうか
前回の記事のつづきである。
白衣の女を読み始めて思ったのは、わかりやすいだけの本に慣れてしまうと、ちゃんと本を読めなくなってしまうのではないかということだった。
昨今の日本の小説は、わかりやすさ第一ですらすらと読めるものが多い。
「そのほうが読みやすい」というのは確かなのかもしれないが、そのために捨てたものは本当にいらないものなのだろうかという話である。
ワタクシは、根気がいる部分や、考えながら読むといった部分は、本当に捨ててしまっていい部分なのだろうか。
新訳について思うこと
たとえば、光文社古典新訳文庫というものがある。これは、読みやすいように訳を新しくしました!というシリーズだが、何かと物議を醸しているシリーズでもある。
守るべきは「作品」のテイストのはずだが、どうもこのシリーズは違う方向を向いているように思えてならない。
わかりやすくしようとするあまり、作品のテイストを変えてしまうのはいかがなものだろうか。それにしても、ひどい表紙ですなあ。
嵐が丘の新訳版も、何かと問題の多い1冊だ。訳以前に、日本語が怪しいのはいかがなものかという話である。
ワタクシは読み比べたりするのも好きなので1読者としてはいいのだが、古典作品を違った形で後世に伝えるのはどうだろうかと思う。
無理に新訳にせずとも、字の大きさやレイアウトを見直すだけでも十分にいけると思うのだが・・・。
まあ、どうでもいい話だが、「超訳ニーチェの言葉」とかいうクソ本がありましたなあ。「超訳」って言葉、禁止にすればいいのに。
わかりやすくないものも必要
ワタクシは本を読むのが好きである。だが、そこまで何でもかんでも分かりやすくする必要があるのか?と思う。
読書でいえば、たとえば難しいものを調べながら読むってのだって大きな経験だと思うし、文章を味わう、解釈するってのだって大事なことだと思うのだ。
どうでもいいけど「1分間~」とかアホを量産するだけだろ・・・とか思ってしまう。惜しんではいけないところの手間を惜しむとか、ワタクシにはちょっと理解できんなあ。
わかりやすい本だけでいいのだろうか
先日読んだ「白衣の女」が大変に面白く、数日たっても、まだ興奮しっぱなしだ。
途中からページをめくる手が止まらなるぐらいに面白かったが、最初から最後まですらすら読めたかというと、実はそうではない。
最初のほうで、つまずきそうになったのである。
原因
というのも、「白衣の女」を読む前に、いくつかの日本の小説を読んでいたからである。
今の日本の小説は、一文が短く、コンスタントに段落を変えるものが多い。そのため、非常に見やすいし、読みやすい。ほどよい余白がいい感じのリズムを運んでくれる。
だが、そうしたスタイルになれてしまうと、1ページに字がぎちぎちに詰まったようなものが、やたらと重苦しく感じてしまうのだ。
また、昨今は、行間を読ませるといったことや、1文に含みをもたせるといったつくりよりも、「わかりやすさ」を優先させるようになっているように思う。
東野圭吾氏の本は、今も昔も変わらずに非常に読みやすい。だが、読み終わった後に残るものが少ないという声もある。
本に何を求めるかは人それぞれなので、このあたりのさじ加減は難しいところだろうが、娯楽小説としては正しい方向のように思う。
今野敏氏の本も分かりやすいが、いくつか読んでみると、パターンにはめて書いている感が露骨にみえてきてしまうのが残念なところだ(東野圭吾氏もその傾向があるといわれるが、そこまで露骨ではないように思う)
それは隠蔽捜査シリーズを一気に読んでみると、すごくわかる。骨組みは一緒で、外観だけを変えているようなつくりだ。
おっと、話が少しそれてしまったようだ。次回につづく。
MotoGP ロッシの栄光と苦悩を描いたドキュメンタリー映画「FASTEST」
FASTESTをみた。こりゃあ、傑作ですなあ!素晴らしい!
FASTEST
FASTESTは、モーターレースの最高峰の1つであるMotoGPを舞台にしたドキュメンタリー映画だ。生きる伝説、バレンティーノ・ロッシを軸に展開される。
バイクレースというと、その方面に明るくない人にとっては敷居が高いイメージがあるが、この作品は非常にわかりやすく作られている。
このトレーラーは海外版だが、これだけでも十分に魅力が伝わるだろう。マジですよ、マジ!レースシーンはすべて実際のものだ。
テレビカメラ的なアングルもあれば、ヘルメットにつけられたカメラからの映像など、ド迫力ですよ。
ふだん、こうしたものを見慣れていないワタクシは、度肝を抜かれてしまった。コーナーでのハングオン、凄すぎ!あんな地面スレスレまで体を傾けるものなのだなあ、怖い。
ロッシの苦悩
映画は、MotoGPのスーパースター、ロッシを中心に展開されていく。まさに最速、まさに天才としか言いようのない走りを見せるが、彼の前に大きな壁が立ちはだかる。
怪我に加え、台頭してきた新しい才能が、無敵と思われたロッシをじりじりと追い詰めていく。
ロッシといえば、46が代名詞。このジャンルに詳しくなくても、FASTESTをみた後は、46が大好きな数字になっていること受け合いだ。
ロッシのゲームも出ている。
FASTESTの作品内では「ロッシは、最初から最後までどの周も同じタイム(配分)で走ることができる」とデータを出すのだが、これが本当にぴったりで驚いた。1週のペース配分がグラフになっているのだが、重ねると見事に一致していた。すげえ!
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まとめ
バイクレースには全く知識のないワタクシだったが、一気に見てしまった。ロッシをはじめとしたライダーたちの生き様は心揺さぶられるものがある。
非常に面白い作品なので、興味のある人はぜひ見てほしい。
ちなみに、前作のFASTERも非常に出来のいい作品だ。
基礎をある程度知ったら、自分の形を作るほうが早い
昨年末に、部屋を片づけて以来、きれいな状態をキープしている。
実際に片づけてみて思ったが、片づけの基礎(?)みたいなものをある程度知ったら、あとは自分の形を作るほうが早いように思う。
何が大切なのか
たとえば自己啓発書のレビューなんかを見ると、たまに「新しいことが載っていないのでクソです!」といった大変愉快なものがある。
ほかでも言われていることばかり・・・というわけだが、こういうレビューを見るたびに「そのぐらい大切なことだから、みんなそれを言うんだろう」と思ってしまう。
それがわかってないから何十冊とか何百冊とか読むハメになるんだろ・・・とワタクシは思うのだが、自己啓発に限らず、こういったケースは多いように思う。
つまり、答えはそこにはないか、すでに道筋が提示されているのではないかと思うのである。解くのは自分、完成させるのは自分だと思うのだ。
(自己啓発の本でいえば、ある程度読んだ時点で気づけよ・・・と思うが)
答えはどこにある
片づけは自分にとって未知のジャンルだったが、実際に自分で片づけを始めてみると、最初に書いたようなことを思った。
基礎のようなものをある程度知ったら、あとは自分の形を作るほうが早いんじゃないかと。片づけに限らず、こういうものって多いよね。
基礎を知るために読む本はたぶん数冊でいいように思う。新しいことを探すのではなく、重複している部分を探す。おそらくそれがゴールへのヒントだ。それをどう解くかは自分だ。
ワタクシはそう思うな。
『ユニクロ帝国の光と影』著者の渾身レポート ユニクロ潜入一年 を読んだ。
『ユニクロ帝国の光と影』著者の渾身レポート ユニクロ潜入一年 を読んだ。
『ユニクロ帝国の光と影』著者の渾身レポート ユニクロ潜入一年
先に言っておくと、この本は電子書籍である。「文春e-Books」として出ているので紙の本ではない。
週刊文春に連載された記事(第1回と第2回)の再構成版で、30ページにも満たないページ数なので、さらっと読める1冊だ。
こうしたフットワークの軽い形で本にできるのも、電子書籍ならではだろう。
非常に興味深い内容なので、興味のある人はぜひ読んでほしい。
『ユニクロ帝国の光と影』著者の渾身レポート ユニクロ潜入一年【文春e-Books】
- 作者: 横田増生
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/01/27
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渾身の潜入取材
ユニクロが損害賠償を求めて裁判を起こしたことでも話題になった本だ。
今回紹介した『ユニクロ帝国の光と影』著者の渾身レポート ユニクロ潜入一年 は、横田増生氏が実際にユニクロにアルバイトとして入ってのレポートだ。
本書は連載の2回目までということで、まださわりという感じだが、お客の立場からではみられない部分が書かれている。
横田増生氏の潜入ルポには、アマゾンもある。
興味深い1冊
こうした本を読む場合は、様々な立場から書かれた本を読むとより多くの発見があるように思う。
現場レポートを読んだら、経営者側が書いた本を読む、そして外部から書かれた本を読むといった具合に読むと面白いように思う。
しかし、昨今のあれこれを見るに、ユニクロに限らず、いろいろとムリをしてきた部分にヒビが入ってきているのかもしれないなあ。
『ユニクロ帝国の光と影』著者の渾身レポート ユニクロ潜入一年【文春e-Books】
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